WORKSHOP REPORTワークショップレポート

WORKSHOP REPORTワークショップレポート

2014-10-23

レゴ®シリアスプレイ®メソッドと教材を活用したワークショップ「ゼロからのチームづくりを体感する」
主催  : ダイナミクス・オブ・ダイアログLLP
日時  : 2014年10月22日(水)19:00~21:30
場所  : 豊島区立舞台芸術交流センターあうるすぽっと会議室
参加人数: 16名
ファシリテータ: 蓮沼孝氏(株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ代表取締役社長)

当日の様子

今回は初めての人同士がチームになっていくプロセスを体験するためのワークショップなので、名刺交換をしないで開始を待ちます。

最初に今回のファシリテーター、蓮沼さんの自己紹介です。
レゴシリアスプレイ(LSP)との出会いや、日本でそれを実践していく上での思いが語られます。

続いて、レゴシリアスプレイの紹介。
シリアスプレイの背景にあるコンストラクショニズムという理論や、どんな風に開発が進んできたかなどの説明がありました。シリアスプレイの注目が高まってきて、国内の公認ファシリテーターもどんどん増えているそうです。来年早々に行われる開発者のロバート・ラスムセン氏を招聘して行われるファシリテーターのトレーニングは早々に満席になり、すでに次回開催の予約まで入っているそうです。

今回は、ほとんどの人がシリアスプレイ初体験です。
シリアスプレイに参加する上でのルールは「作品を通して語る」
人を見るのではなく、その人の作品を見て質問する。そうすることで、本人も意識していなかった新たな視点がどんどん見つかっていきます。そういった様々な視点や洞察は、チームで何かを共に創造していく上で重要な意味を持ちます。シリアスプレイは、全員が貢献し、全員が造っていくという場なのです。

早速ウォーミングアップと、レゴを組み立てることに慣れるためのスキルビルディング。

一人ずつに配られた47個のレゴのパーツを組み立てていきます。
みなさん、時間の制約にプレッシャーを受けながら、なんとかレゴをくっつけようと四苦八苦です。
ファシリテーターの「あと何分です」という声が、逆に集中力を高めています。

続いて「ブロックに意味をつける」ための演習です。
各自、赤と緑のブロックを持ち「進化」という言葉からイメージする方を選びます。

それぞれ半数ぐらいに別れました。

緑を選んだ方にその理由を聞いていくと、
「私自身緑が好きじゃなかったけど、大人になってそれを受け入れるようになった。多様な意見を受け入れられることも進化だと思ったから」
「生物や自然が変わっていく、進化していくイメージ」
「木をイメージしたから」

赤の方に聞いていくと
「透明性(透明な赤)が進化のイメージ」
「赤という色からサイエンスを連想したから」

といったように、「進化」という言葉から、自然をイメージした人、科学の進歩をイメージした人、人のとらえ方とうのは様々なんだということをみなさん実感されたようです。

続いては、「私が仕事で提供している価値は?」を作品にします。
ここからぐっと難しくなりますが、みなさん集中してつくられていました。

その後自分でつくったものを語るのではなく、隣の人がその作品を見て直感で語っていきます。名刺交換や自己紹介をしていないので、この時点では語る人はその人に関しての事前情報がありません。目の前の作品を見て語るしかありません。その後、つくった人がご自身で語ります。

これをすることによって、作品を見て感じること、相手の話をよく聞くこと、自分以外の新しい視点が加わることなど、いろいろな体験ができます。
「え~むずかしいな~」と言いながらも楽しんでワークに取り組んでいることで、まさにチーム内の関係の質が築かれていくのです。

休憩をはさんで、次のステップへ。
今度は「理想の中学校」をつくります。まずは個々人が各々が思う理想の中学校を形にしていきます。それをグループ内でシェアした後、今度はみんなの作品を統合させて「理想のスーパー中学校」をつくります。

それぞれの人に様々な価値観や表現がある中で、単なる言葉のやりとりだけではぶつかってしまうこともありますが、お互いにそれぞれの作品を尊重しながら、そして手を動かしながら話し合うことで、どんどん一つの作品になっていきます。

これがまさに、チームができていく上で大切なことではないでしょうか。自分の大切にしたいものが、チームの中で大切にされ、さらに人と一緒につくっていることによって、自分もこのチームの一員なのだという満足感が得られます。

その後、できあがった作品をメンバーを入れ替えながら他のグループにプレゼンしていきます。どの作品が印象に残ったか?とお聞きすると、自分のチームが一番いいという方もいらして、それぞれのチームごとの作品に愛着が生まれたようです。

DODでは、これまでに5回、テーマを変えながらこのシリアスプレイのワークショップを実施していますが、毎回参加者のみなさんが夢中になって「あっという間に」時間が経つというのが、いつも共通していることです。

今回はアンケートでも全員が「満足」を選択。しっかりとした理論に基づいて開発されたプログラムと、ファシリテーションの技ならではの結果でしょうか。

次回は2月初旬に開催予定です!

参加者の声

・レゴを通して、自身の気持ち、相手の気持ちを引き出せることにとても関心を持った(青木航志様)
・個々のアイデアを尊重し、チームプレイに昇華させること、会話の中で次のアイデアが生まれる様は非常におもしろいと思いました(中村望様)
・価値観の違いを楽しめたこと、チームビルディングの入り口をチラ見できたことがよかった(河原塚徹様)
・質の高いファシリテーションの仕方に触れることができた(田中規清様)
・毎回新しい気づきを蓮沼先生からいただき、勉強になっています(大塚哲郎様)
・想定外で楽しかった。価値観をこんな形で共有できるという発見が驚きでした。参加者の笑顔が印象的でした(匿名)
・全員のアイデアを出し合って一つのものをつくり上げたことがよかった。2時間ちょっとという時間で、こんなにも打ち解ける仕組みに驚きました(匿名)
・価値観を共有することで、新しい発見と価値観を見つけることができた(匿名)
・楽しく気づきが多くあった。言葉にできないことも、レゴというモノがあることで内から言葉が出てきて気づきがある。また、チームでの対話からも新しい気づきが生まれた(匿名)
・初対面の方々と終始活発に、和やかに進めることができ、考えるプロセスそのものが楽しかった(匿名)
・意見がまとまる。建設的になれる(匿名)
・共通と共有の違い、グループ内の満足度の高さが、全員が手を動かして参加するシリアスプレイならではと思いました(匿名)
・初めて会う方と、チームとして機能できたと思います。ファシリテーションがスムーズでした(匿名)