WORKSHOP REPORTワークショップレポート

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2026-01-13

京都市立紫野高校:教員全体研修でLEGO® SERIOUS PLAY®を活用 
― 教育実践の内省深化と対話促進を支える共通言語としてLSPを導入 ―

京都市立紫野高校では、2019年からLEGO® SERIOUS PLAY®(以下、LSP)を活用した授業や探究活動が試みられてきました。その取り組みの延長線上として、2026年1月7日、全教員を対象にLSPを用いた研修が実施されました。

本研修は、LSPの導入意義と理論的背景を踏まえつつ、教職員が自らの言葉で思考を表現し、共有し、互いの違いや共通点を認識する体験を通じて、日々の教育活動における対話のあり方を再考することを目的として設計されました。

なお、紫野高校では、1年生全クラスを対象にしたLSPを用いた3回連続授業の導入にあたり、2025年度中に教職員13名がグリーンブリック・プログラム(LSP基礎技法と個別アプリケーションに特化した公式トレーニング)を受講修了しています。

このトレーニングは国内初の開催であり、認定ファシリテータの育成とともに、校内での持続的なLSP活用体制の構築を目指して行われました。今回の全体研修は、そうした取り組みの延長線上に位置づけられ、LSPを学校全体の共通言語として活用していくための重要なステップとなりました。

■ ワークショップの概要
実施日:2026年1月7日
対象:校長、副校長以下全教員(約60名)
時間:13:00~15:00(2時間)
設計・ファシリテーション:石原正雄(株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ)
支援体制:LSPファシリテータ資格を持つ教員12名が「プロセスリーダー」として協力

今回の研修では、参加者が「話す人/聞く人」という固定された役割を超えて、全員が“つくる人・語る人・聞く人”として場に関与する構造を実現するため、各グループに1名ずつプロセスリーダーが配置されました。プロセスリーダーは進行を補助する役割を果たしつつ、あくまで1人の参加者としてモデルを作成し、語ることを徹底することで、上下関係のない、心理的安全性のある場が自然に形成されました。

■ プログラム構成(抜粋)
・スキルビルディング(基本操作と表現練習)
– レゴシリアスプレイ標準プロセスとルールの導入
– レゴを用いた自己紹介
 – モデルを使った自己表現とメタファー化の練習
・社会的テーマに関するグループ対話と統合表現
– テーマ1:「私が考える“社会人としての自由”とは?」
– テーマ2:「私たちが考える“社会人としての自由”とは?」
*グループによるランドスケーピングにより各自のアイデアをつないでグループとしてのアイデアを共創する。
・LSP理論の紹介(講義形式)
– 構築主義
– フロー理論
– SCARFモデル(社会的脳理論)
– LSPの適用可能分野
・ふりかえりと共有

■ 参加者の声(抜粋)
「作品をつくることで、自分でも気づいていなかった思いや考えが言葉になった」
「他の人のモデルを見ることで、自分にはなかった視点に出会えた」
「普段の会話では出てこないような話が、自然に共有された」

■ 今回の事例が示すこと
LSPは単なるグループワークの手法ではなく、誰もが等しく思考を“つくり”、語り、聴くという関係性を支える構造的支援のツールです。本研修では、教員同士が立場に関係なく語り合うことで、日常の中では生まれにくい気づきや信頼が育まれる可能性を感じる場となりました。

また、LSPの理論背景を押さえた上で体験することで、教員自身が教育活動への応用可能性を具体的に描くことができたようです。

なお、紫野高校で6年間かけてLSPの推進をしてくださった小林孝由先生からは以下のコメントをいただきました。

「2019年に私一人ではじめたLSPの取り組みが、こうして学校全体の共通体験になったことをとても嬉しく思います。今回の研修でも全員が安心して語れる場が実現できたと感じました。」
— 小林孝由 先生(紫野高校 地歴公民科)

■ 今後に向けて
紫野高校では、今回の経験を起点に、LSPをさらに生徒との関わりにも広げていく計画があります。弊社としても、LSPが学校という多様な関係性の中でどのように活用され得るか、今後も実践と連携を通じて検証していきたい所存です。

ご興味のある学校・教育機関の皆さまへ
LSPの導入や研修設計、ファシリテータ養成等に関するご相談も承っております。
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