2025-12-04
住民同士が語る「10年後のわたしたちの町」―島根県飯南町でのレゴ®シリアスプレイ®ワークショップ実施報告

2025年11月29日、島根県中部の山間に位置する小さな自治体・飯南町(いいなんちょう)で、町民向けのレゴ®シリアスプレイ®(以下、LSP)ワークショップが開催されました。
本ワークショップは、町の人材育成事業の一環として「対話による関係性の構築」「住民の主体性の喚起」「地域課題への多世代での共感的アプローチ」を目的に企画されたものです。
当日は、高校生から高齢者までの町民が参加して濃密な対話の場が生まれました。
なぜ今、「対話」に取り組むのか?
人口約4,500人、広大な森林と清らかな水源を持つ自然豊かな町・飯南町。過疎化や少子高齢化が進むなか、町では住民と行政が連携しながら「小さな町だからこそできる」まちづくりを進めています。
こうした中で、近年注目されているのが“対話”の力です。
飯南町まちづくり推進課の神谷晴子さんは次のように語ります。
「職員だけでなく、地域住民一人ひとりが“まちをつくる担い手”として関わっていく必要があります。でも、その第一歩として必要なのが、互いを知ること。普段接点のない世代や立場の違う人たちが、安心して対話できる場をどうやってつくるかが大きな課題でした。」
そこで選ばれたのが、LSPを用いた対話でした。
LSPは、レゴブロックを使って「手で考える」ことで、年齢や言語能力に関係なく、誰もが自分の考えを表現できる仕組みを持っています。可視化された作品を通じた対話が、安心と気づきを生み出します。
ワークショップ設計の工夫:小さな町で、意味ある対話をつくるには?
● 個別表現から集合知へ
最初に各自が「10年後の飯南町に自分が残しておきたいもの」をレゴ作品で表現。高校生の参加者からは「町民同士や町内地域同士のつながりを育てる場所」、年配の町民からは「過去から受け継いできた銀杏の大樹などの自然資産」など、多様な視点が語られました。

個々の想いを共有した後で、すべての個人作品を一つの大きな「ランドスケープ(景観モデル)」として、参加者によって「スーパーストーリー」としてその意味が語られ全員で共有しました。

最終的に、参加者たちは「このビジョンを実現するために、明日から自分ができること」をテーマにレゴ作品を再び作成しました。

草刈りやゴミ拾いを続ける、地域の催しに若者を誘う、まずは身近な人たちへ関心を持ち語りかける、町の施設の使い方を調べて教えるなど、小さな行動宣言が次々と生まれていきました。
ワークショップを終えて:参加者の声
ワークショップの終了後、参加者からは以下のような声が聞かれました。
「普段、頭の中で考えていることを言葉に出すのが苦手。でも今日は、レゴで表現したおかげで、自分でも驚くくらい話せました」(高校生)
「若い人が町のことをちゃんと考えていると知って感激した。こんなに素直に話を聞ける場があるとは思っていなかった」(50代・町民)
このように、この日の体験ははワークショップという枠を超えて、「自分の声が町の未来に繋がっている」という実感を参加者にもたらしました。
小さな自治体だからこそできる「深い」対話
今回の飯南町での事例が示しているのは、小規模な自治体だからこそ、LSPが効果的に機能するという可能性です。
人数が少ないことで、参加者全員の声にじっくり耳を傾けることができる。地域の関係性や実情を知るファシリテーターが同席することで、単なる表面的な対話ではなく、地域に根ざした深い語り合いが可能になる。
そして何より、LSPが提供する「作品を使って話す」というアプローチは、発言に慣れていない人にとっても「話しやすい場」を提供してくれます。
LSPを地域の共創プロセスに組み込む
今回の飯南町での取り組みは、LSPが単なるワークショップツールではなく、地域社会における「共創のプロセス」の一部として活用できることを示しています。
町の未来を行政だけでなく、住民とともにつくっていく。そのための第一歩として、LSPは「互いを理解し、聴き合う場」を提供し、主体性を育む大きな力を持っています。
これからの地域づくりにおいて、「対話」は必須のキーワードになるでしょう。そしてその対話を可能にする方法として、LSPは多くの自治体にとって有効な手段となり得るのです。
小さな町で開催された小さなワークショップは、これからの地域社会の在り方に示唆を与えてくれます。
島根県飯南町公式ホームページ
https://www.iinan.jp/
※本事例について詳しくお知りになりたい自治体・団体様は、お気軽にお問い合わせください。
support@seriousplay.jp
2025-07-06
開催報告|脳科学から考えるこれからのリーダーシップ開発講座 ~ LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用した体験型ワークショップ ~

2025年7月3日、東京・浜松町にてフォーミュレイト合同会社と株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツの共催により、公開ワークショップ「脳科学から考えるこれからのリーダーシップ開発講座」が開催されました。
ニューロリーダーシップ × LEGO® SERIOUS PLAY®
本ワークショップは、NeuroLeadership Institute認定コーチである綿引いずみさんと、LSPファシリテータである石原正雄が共同で企画・実施したものです。
近年注目されるニューロリーダーシップのフレームワーク「SCARFモデル」をベースに、リーダーが無意識に与えている「脅威」や「報酬」への気づきを促し、LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)を通じて自身のリーダーシップスタイルや行動の選択肢について内省、表現、共有をしました。
実施内容
- オープニング・導入
- LEGO® SERIOUS PLAY®演習:自分のリーダーシップ像について内省、表現
- 講義:SCARFモデルの解説と脳科学的背景
- 演習:脅威へのセルフレギュレーションと行動プランの立案
- Q&Aとまとめ
参加者の声
- 「“脅威”を深掘りしすぎてはいけない、という視点がとても新鮮でした」
- 「LSPとSCARFの組み合わせで、自分がチームに与えている影響を可視化できた」
- 「安心して考えを表現できる空間が、脳科学的にどれほど大事かが実感できた」
LSPの可能性を再確認
本ワークショップでは、ニューロリーダーシップという専門的な理論を扱いながらも、LSPの「安心・安全な対話空間をつくる力」がいかに効果的であるかを再確認する機会となりました。LSPは単なるアイデア創出のツールにとどまらず、自己認識や行動変容を促すツールとしても活用できます。
次回開催に向けて
今後も本テーマに関する公開ワークショップの開催を検討しています。ご興味のある方は下記をご参照ください。
LSPに関する詳細と開催予定はこちら
ニューロリーダーシップについての紹介動画はこちら
https://youtu.be/cHKhyQ42WQY
2025-05-26
社員の内発的対話から生まれる「第3のイノベーション」
― 山十株式会社 × LEGO® SERIOUS PLAY®による産学連携ワークショップ
実施企業: 山十株式会社(福岡県北九州市)
実施時期: 2024年9月
ファシリテーション・設計:
下田泰奈(北九州市立大学 特任研究員)
聞間理(九州産業大学 教授)
鎮目悠治(鎮目研究所 代表)
吉田達哉(山十株式会社 代表取締役)
寄稿: 下田泰奈
■ 山十株式会社とは?(実施企業紹介)
山十株式会社は、福岡県北九州市を拠点に、木材・建材の販売および住宅設備工事を手がける創業120年を超える地域密着型企業です。住宅メーカーや設計事務所との長年の信頼関係をもとに、住宅・建築業界の現場を支え続けてきました。

同社代表の吉田達哉氏はLEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)認定ファシリテータでもあり、社内では戦略策定、組織開発、人材育成といった多様な目的に対してLSPメソッドを継続的に活用しています。LSPメソッドを活用した社内研修やワークショップを定期的に実施しており、組織内のコミュニケーションや意思決定プロセスに積極的に取り入れられています。そのため、LSPが日常の意思決定や組織対話の手法としても根付いており、今回のワークショップもそうした実践の延長線上にある、意欲的な取り組みとして位置づけられます。
■ 理論と実践を横断する「第3のイノベーション」とは?
今回のワークショップの核となったのが、「第3のイノベーション」という概念です。これは、MITスローン経営大学院のデビッド・ロバートソン教授が提唱したもので、レゴ社の事業再建を分析した著書『Brick by Brick(邦題「レゴはなぜ世界で愛され続けているのか?」、日本経済新聞出版社)』を通じて知られています。

従来のイノベーションは、
- 既存製品を改善する「漸進的イノベーション」
- 市場構造を変革する「破壊的イノベーション」
という二極で語られてきましたが、第3のイノベーションでは、既存のコア製品を中心に、補完的価値を組み合わせた“エコシステム”を構築することによって、競争力を高めるというアプローチが取られます。この戦略思想は、LEGO® SERIOUS PLAY®の方法論と極めて親和性が高く、LSPが持つメタファーによる抽象化と共有、3Dモデルによる構造化、多様な視点の共有と対話といった特性を活かすことで、「価値の周辺」に潜む可能性を発見、創造する場を出現させます。
今回のワークショップは、まさにその理論を実践的に体現する試みとして設計されました。
■ ワークショップ設計の工夫と進行構造
本ワークショップは、山十株式会社の中堅~若手社員6名を対象に、半日(約4時間)のプログラムとして実施されました。LSPの基本構成に則り、以下の4つのステップで構成されました。
- 1)スキルビルディング
LSPワークショップに必須の導入演習、安全で全員参加の場を作る魔法のような導入演習です。メタファーの使い方やストーリーテリングのリズムに
慣れる時間です。
- 2)個人モデル構築
「自分の仕事の価値とは?」という問いに対して、それぞれが自らの思いや意図をレゴ作品に込めて表現します。
- 3)共有作品とランドスケープ構築
個人モデルの意味をつなぎ合わせて組織内で価値がどのように生まれているか、どのような連携が存在しているかを立体的に構成します。
- 4)関係性の探究
レゴ作品間の多様な関係性を明示し、どのような連携が今後の価値共創につながるかを議論します。

■ 参加者の声:見えていなかった価値が見えてきた
- 「自分の仕事を“構造物”としてとらえることで、普段意識していなかった役割に気づいた」
- 「他部署との関係性を視覚的に捉え直すことで、新しい協働のヒントが生まれた」
- 「“レゴブロックを使って考える”という非日常の場が、自由な発想を促してくれた」
ワークショップ後には、各自がモデルを指さしながら「この連携がもっと強化されれば…」「このギャップを埋めるにはどうすればよいか?」といった建設的な対話が自然に生まれ、LSPのもたらす思考の“流れ”が組織内に浸透していく様子が見られました。
■ ファシリテーター所感(下田泰奈)
今回は「価値とは何か?」という問いを、抽象的な議論ではなく、具体と構造の中で深めるプロセスを重視しました。LSPは、言葉だけでは共有できない“感覚”や“意図”を可視化し、共感から行動へとつなげる触媒になると改めて実感しています。経営者がLSPの理解者であることが、場の深まりと持続性を後押ししていた点も印象的でした。
■ 今後の展望
ワークショップを通じて見えてきたのは、「製品そのもの」ではなく「周辺の体験や関係性」にこそイノベーションの芽があるということ。今後は、こうした視点を生かした社内プロジェクトや、顧客・パートナーとの共創活動に展開されていく予定です。

■ イノベーションを支援するために
(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツでは、「第3のイノベーション」理論を活用し、LSPメソッドによる企業の創造的変革を支援するワークショップの企画・設計・実施を行っております。
新しい価値創出に向けて社内の知とつながりを引き出したいとお考えの方は、ぜひ下記までお気軽にご相談ください。
メール問い合わせ先:support@seriousplay.jp
2025-01-15

2025年1月11日(土)から13日(月)、次世代を担う高校生たちが、京都市の具体的な社会課題に向き合い、自らの手で解決策を模索する3日間の特別なワークショップが実施されました。創造力を引き出す「レゴ®シリアスプレイ®(LSP)」と、スマホアプリ開発を可能にする「MIT App Inventor」を活用し、社会課題の本質を深く掘り下げながら、斬新なアイデアを具現化する機会を提供しました。
本ワークショップの最大の特徴は、全員が主体的に議論に参加し、意見を共有しながら合意形成を図るLSPの活用と、デザイン思考やペルソナ設定を通じて課題を多角的に捉える手法の導入です。12名の生徒たちは、地域の抱える課題に自分ごととして向き合いながら、自分たちの創造力とテクノロジーを融合させ、スマホアプリという形で解決策を生み出すプロセスを体験しました。
このワークショップは、ただ学ぶだけではなく、具体的な成果を出すことを目指した取り組みであり、生徒たちは京都市の未来を描きつつ、自らの成長を実感する3日間となりました。
ワークショップの成功を支えた要因
このワークショップが効果を上げた最大のポイントは、何よりもまず、高い意識と意欲を持った生徒たちが参加してくれたことです。優秀なだけではなく、自ら成長を求めて貪欲に学び、自由に表現できる素晴らしい皆さんに参加いただきました。そして彼らを全力で応援してくださった先生方の熱意にあります。特に、先生方が生徒たちと同じ目線・同じ立場でワークショップに積極的に参加し、一緒に課題に取り組んでいただいたことが、学びの深さと充実感を大きく高めました。
さらに、「レゴ®シリアスプレイ®(LSP)」という手法の活用と、事前に学校側と綿密な打ち合わせを行い、プログラム設計を徹底した点も成功の要因です。LSPは、全員の意見を誰一人取り残すことなく引き出し、共有することで合意形成を促進します。このプロセスが、生徒たちに驚きと感動を与え、チーム全体の協働を促進しました。
このワークショップでは全体設計と当日のファシリテーションを弊社取締役の石原正雄が担当し、アプリ作成については MITが主催するハッカソンで個人、グループの入賞を果たした武居玲さんがチューターとして生徒たちを支援しました。

1日目:社会変革を実現する「イノベーション」とは何かを学ぶ
ワークショップの初日では、まずレゴシリアスプレイメソッドを使った話し合いの方法に慣れる演習からスタートしました。楽しみながら、一人一人が自分の考えを安全に話し合うことを実感しました。
次に「イノベーションとは何か」という根本的な問いを深く掘り下げました。冒頭では、参加者それぞれが持つ「イノベーション」に対するイメージや考え方を共有することからスタートしました。その際、LSPを活用し、自分の考えをレゴブロックを使って形にしてもらうことで、具体的で視覚的な表現を生み出しました。
生徒たちは、初めてのLSP体験に最初は戸惑いながらも、次第に自分のアイデアを形にする楽しさを発見していきました。また、LSPを通じて、単なる議論では得られない深い洞察を得ることができました。「漸進的イノベーション」や「破壊的イノベーション」という伝統的なイノベーションの概念を学びました。続いて MITスローンスクールのデビッド・ロバートソンが提唱する「第3のイノベーション」アプローチを学び、小さなアイデアのエコシステム構築といいう方法がスマホアプリのデザインと親和性があることも知りました。
後半では京都市が抱える具体的な社会課題(人口減少と高齢化、産業の停滞、交通環境の改善など)に目を向け、「自分はその課題をなぜ解決したいのか?」についてレゴ作品を通じて表現し、グループ内で共有しました。社会課題を解決する当事者として自分がそうしたい理由を突き詰めてもらいました。この活動を通じて、生徒たちは特定の社会課題の本質に触れ、自分たちの意見を形にすることで、それを他者と共有し、議論を深める大切さを学びました。
初日は、LSPを活用したこれらのプロセスが、単なる知識のインプットにとどまらず、生徒たち自身の考えを掘り下げ、主体的に参加する意欲を引き出すきっかけとなりました。

2日目:未来の京都市を描く
2日目は、「10年後の京都」を想像し、各人が見たい、体験したい、暮らしてみたい未来の京都市とはどんなものかをレゴ作品で表現するところからスタートしました。そしてLSPの「共有プロセス」により各人の実現した未来の京都市を持ち寄って全員でコミットできる「私たちが実現したい未来の京都市」を表現しました。
各グループでは人々が安心して移動できる近未来型交通システムや、文化と再生可能エネルギーが共存する街など、さまざまな未来像が描かれました。
この先はデザイン思考のアプローチを用いて共感、定義、概念化、プロトタイピングというプロセスをたどりながら実際に動くスマホアプリの開発に進みました。
最初に「ペルソナ設定」を行いました。具体的には以下のようなペルソナが設定されました:
- 伝統産業の4代目社長:職人を確保できず、伝統技術の継承に悩んでいる。
- 西賀茂に住む30代会社員:通勤時の渋滞や公共交通機関の不便さに不満を感じている。
- 京都在住10年目のサウジアラビア出身の男性:日本文化に触れたいが、言語の壁で地域とのつながりを感じられない。
- 京都観光に来たフランス人観光客:観光地の文化的背景を理解したいが、適切な情報が見つからない。
それぞれのペルソナを通じて、「何になぜ悩んでいるのか」「どのようなスマホアプリの機能が設定したペルソナのどの課題の解決策となるか」について議論を重ねました。このプロセスを通じて、生徒たちは具体的な課題と解決策を深く掘り下げて考える経験を積むことができました。
午後には、MIT App Inventorを使ったスマホアプリ開発の基礎を学び、いくつかの応用課題にも取り組みました。

3日目:スマホアプリを完成させる
3日目は各グループが考えだしたソリューションアイデアをスマホ画面に実装するところからスタートしました。画面デザインや画面遷移の設計は MIT流のカードシステムで行いました。
最終的にはグループごとに開発を進め、以下のようなユニークなアプリが完成しました:
- 『京都交通マップ 極』:公共交通機関の情報を一括管理し、多言語翻訳機能やヘルスケア連動を搭載。
- 『組合マッチング』:業者と顧客を結びつける仕事特化型のコミュニケーションツール。
- 『Neo City Kyoto GPT』:AIを活用し、京都特化型の道案内とレビュー情報を提供。
- 『Okoshiyasu 京』:外国人観光客向けのAI活用文化理解促進アプリ。
LSPのプロセスで生まれた深い洞察が、各チームのアプリデザインに反映され、独創的で実用的なアイデアが多く見られました。

MIT App Inventorの可能性
MIT App Inventorは、プログラミング初心者でも直感的にアプリを開発できるツールです。このワークショップを通じて、参加者は単なる技術習得だけでなく、自分たちの考えやアイデアを形にする力を実感しました。
MIT App InventorとLSPの組み合わせは、テクノロジーの活用と創造力の発揮を両立させ、参加者が自己表現を通じて成長する貴重な体験を提供しました。

3日間を終えて
参加した高校生からは、以下のような感想が寄せられました:
- 「アプリ開発に興味があったが、それ以上にLSPを使った議論の面白さに気づけた。」
- 「他の参加者のアイデアに感銘を受け、もっと学びたいという意欲が湧いた。」
- 「頭を使い、自分の成長を実感できた3日間だった。」
これらの感想からも、LSPが参加者の創造性や自己表現力を引き出し、学びの深さを実感させたことがうかがえます。また、LSPを通じて生徒たちが体験した「共有」のプロセスは、議論の質を高め、全員が主体的に参加する環境を構築しました。
3日間のワークショップを通じて、生徒たちが課題解決のプロセスやITテクノロジーの可能性を実感し、未来への一歩を踏み出す手助けができたことを嬉しく思います。
今後もこのような機会を提供し、若者たちの創造力を育む活動を続けてまいります。このプログラムの実現と素晴らしい3日間の体験創りにご協力いただいた京都市立紫野高等学校の小林教諭をはじめ、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

2024-11-07

2024年10月23日から25日にかけて、早稲田大学ビジネススクール(東京都新宿区、研究科長 池上重輔)にて国際的なビジネススクール認証機関「EFMD(欧州経営開発財団)」のアジア年次総会が開催されました。EFMDは1972年にベルギーで設立された組織で、ビジネススクールの教育の質を評価する「EQUIS」認証を提供しています。現在、世界で983校以上のビジネススクールが認証を受けており、日本では早稲田大学ビジネススクールを含む3校がこの認証を取得しています。
弊社代表取締役の蓮沼孝と取締役でLEGO® SERIOUS PLAY®マスタートレーナー協会理事を務める石原正雄は、この重要な国際イベントの分科会「Learning as we play: Gaming」にてワークショップを提供し、またパネルディスカッションのパネリストとして参加しました。
分科会「Learning as we play: Gaming」
この分科会では参加者にまず「Game(ゲーム)」と「Play(遊び)」の違いを考えてもらうところからスタートしました。これは、「なぜLEGO SERIOUS PLAYがLEGO SERIOUS GAMEではないのか」という本質を説明するためです。ゲームが明確なルールや勝敗の要素を伴う一方で、Playは自由な発想と探索を重視し、参加者が自発的にアイデアを生み出すことを促進します。この違いは、LSPが単なるゲーム以上のものとして、意思決定や戦略立案のプロセスにどのように役立つかを示す重要なポイントです。
蓮沼と石原は、ワークショップを通じて、LEGOブロックを用いて抽象的な概念を具体的に表現し、参加者が内なる知識を外部化するプロセスを参加者に体験してもらいました。これにより、参加者同士の理解が深まり、共通の基盤を構築して新たなアイデアを生み出す場が生まれました。大会関係者からは「参加者からも非常に高い評価をいただいており、大変学びの多い、有意義な会議となりました」というフィードバックもいただきました。
大会実施の詳細は以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.waseda.jp/fcom/wbs/news/12801
2024-08-11
株式会社ロバート・ラスムセン・アソシエイツは、未来の社会を支える若者の育成を重要視しています。この理念をもとに、8月6日に東北地方の定時制通信制高校に通う高校生向けのワークショップを開催しました。(会場:岩手県立杜陵高等学校)
生徒会リーダーや有志の生徒約60名が参加し、「わたしたちにできること」というテーマのもと、自らの未来とその実現への自分の役割について考える機会を持ちました。
若者たちの未来へのビジョン
今回のワークショップに参加した生徒の半数以上は、学校の先生や友達とのコミュニケーションに何らかの課題を感じています。こうした背景を踏まえ、ワークショップでは「わたしたちにできること」をテーマに掲げ、仲間と描く未来を共有してその実現にチャレンジしていくことの面白さに気づいてもらうことを目的としました。
各グループはレゴ®シリアスプレイメソッド®によって設計されたワークショップに沿って自分たちが思い描く未来を作品として表現し、そのプロセスで多くのメッセージが生まれました。
「たとえ壁にぶつかっても、別の道を見つけて自分のゴールにたどり着ける未来を目指したい」
「技術の進化が、私たちのつながりをさらに強化し、心の悩みや隔たりが少なくなる未来が訪れることを願っています」
「公正な世界を目指すためには、周囲の意見や視線にとらわれず、自分の意見をしっかりと持つことが重要。どんなに多様な人々や考え方があっても、自分の意思を貫ける世界でなければ、環境問題をはじめとする様々な問題を解決することはできない」
「みんなで手を取り合い、明るい未来を目指すことが大切。最後にはみんなでこれまで誰もなしえなかった挑戦を成功させたい」

ワークショップの最後には仲間と思い描いた未来を実現するために「自分にはどんなことができるだろうか?」と各自が考えました。
高度なスキルを持つファシリテータによるサポート
ワークショップの成功には、LSPファシリテータチームの協力が欠かせませんでした。当社の主催するトレーニングの修了認定を受けたファシリテータが各テーブルを担当し、参加者一人ひとりの意見やアイデアを細やかに引き出しました。奈良理香、中野英行、松田こずえ、猿渡英代子、古山慎治、高橋宏輔、坂井奈穂子、小綿元貴という8名のファシリテータが生徒たちをサポートし、リードファシリテータとして当社の取締役である石原正雄が全体の進行を担当しました。
生徒たちの未来を切り拓くために
ワークショップを通じて、参加した高校生たちは自分たちが未来に向けて何ができるのか、どのように行動すべきかを考える貴重な時間を過ごしました。特に、他者とのコミュニケーションが難しいと感じている生徒たちが、チームとして一つの目標に向かって協力し合うことで、自らの力を発揮できるようになることを目指しました。
株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツは、今後もこのような機会を通じて、若者の未来を支援し、彼らが社会に貢献できる力を育てることに尽力したいと考えます。高度なスキルを持つレゴシリアスプレイ認定ファシリテータチームとの協力により、より広範なワークショップを展開し、未来を担う若者たちの成長をサポートしていきます。
今回のワークショップの詳細については、以下のリンクからご覧いただけます。
https://tor-hs.note.jp/n/ne251a7539033
https://tor-hs.note.jp/n/n0935d471ba02
2022-11-02

東京芸術大学を中心に、国立美術館、都立美術館、慶應大学など大学、企業、福祉団体などが連携して取り組む「アート共創拠点」プロジェクト。「芸術x福祉xテクノロジー」の研究で「誰もが孤立しない共生社会」を目指しています。
このプロジェクトの出発点ともなるビジョン構築のワークショップをLSPを活用して今年6月10日に実施しました。事前に何度もオンラインで関係者が揃って協議をして、プロジェクトの本来の意義も深掘りしながらLSPワークショップの内容を(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ側でデザインした内容です。
動画の最後では東京芸大学長の日比野克彦さんも登場して、参加者のLSPに取り組む様子を見ての感想を述べてくださっています。
動画視聴はこのリンクよりできます。
https://www.youtube.com/watch?v=SaEqKp2cToM&t=1s
2022-07-30
千葉県市原市では先月6月4日、市民と市長が直接対話する「いちはら未来会議」を開催しました。「10年後・20年後に残したい いちはらの魅力」 について語るこれまでにない市民対話、市民と市長の対話の場になりました。
当日はレゴ® シリアスプレイ®メソッドと教材を使いながらファシリテータのリードによって、参加者が「10年後・20年後に残したい いちはらの魅力」について一人一人が次のようなストーリーを語っていきます。
「豊かな自然の中で、里山があって、色んなイベントがあって、小湊鐵道で出かけたいと思えるようなまちです。農園や工場などでの仕事があり、こういういいところを現状維持しつつ、安心・安全に色んなイノベーションやリーダーシップといった熱いエネルギーや想いを持った子供たちや大人が、市原市に戻ってこれるところ」(市原市ウェブサイトから転載)
市民が自分自身の言葉で語るこんな素敵なストーリーを聞くことのできる市民会議、自分の住む自治体でも開催してほしいと感じる人も多いのではないでしょうか。
この会議の企画、ワークショップの設計、当日のファシリテーションの中心となったのはレゴ® シリアスプレイ®ファシリテータ養成トレーニングを4月に受講された高澤 良英さんです。これまでの会議のあり方をレゴ® シリアスプレイ®メソッドが変えることができる素晴らしい事例です。
2021-12-14
2021年8月8日、名古屋大学を会場にこれまでに「社会をどう変えたいか、社会がどう変わるべきか」を軸に、多様な人材を巻き込むワークショップを開催されました。その様子を伝えるYouTube動画が公開されました。当日のファシリテーションを担当したのは弊社代表 蓮沼孝です。
【参加者】 本拠点参画機関の他、ベンチャー企業、市民、大学生等から参加者を募り、性別・年齢・産学官民のバランスに配慮した多様なメンバー42名(うち女性9名)
【場 所】東海国立大学機構 名古屋大学 東山キャンパス ES総合館1階 ESホール
【日 時】2021年8月8日(日)13:00-17:30
【主 催】東海国立大学機構 「FUTUREライフスタイル社会共創拠点」
当日は、フェーズに適した手法を用いることで、すべての参加者が一市民の立場に立って未来の社会像を対等に議論し、ビジョンの種84個を創出することが出来ました。(東海国立大学機構ウェブページより)詳しくはこちらをご覧ください。
下の画像をクリックするとYouTube動画をご覧いただけます。