2025-10-01
「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」 第6回
今回のインタビュー
2025年8月にLEGO® SERIOUS PLAY®(以下LSP)の4日間トレーニングを受講したばかりの鈴木大雅さん。現在は大手通信会社でシステムの保守・運用監視を担当しており、LSPを使った活動はこれから立ち上げていく段階です。
社内のワークショップで初めてLSPに触れ、「これは面白い」と強い関心を持つ一方で、同じ場にいながら「所詮お遊び」と受け止める人もいた——そのギャップへの疑問が、学びを深める出発点になりました。
出会いの衝撃と、芽生えた疑問
最初のきっかけは、社内で実施されたLSPのセッションでした。ダックチャレンジで「同じ“アヒル”でも人によって形がまったく異なる」ことに衝撃を受け、個人ワーク(AT1)では上司の考えを“作品を通して”理解できる不思議さを体感。「言葉以上の理解」を得られる感覚が残ったと振り返ります。
一方で、同じ場にいたメンバーの中には「レゴのお遊び」「意味がない」と感じた人もいました。なぜ同じ体験なのに、こうも受け止めが異なるのか——この“差”の理由を探りたいという思いが強まり、LSPの本質を自分で確かめるためにトレーニング受講を決めました。
受講の動機:参加者から、提供者へ
受講前は、LSPで「チームビルディングのようなことができそうだ」という漠然としたイメージはあったものの、メソッドを使って“何がどこまでできるのか”は具体的に描けていなかったといいます。体験者としての興味を出発点に、「中身をもっと知り、自分でも扱えるようになりたい」という探究心が受講の背中を押しました。
トレーニングでの気づき:見えてきた「つながり」と場の聴き方
4日間で最も強い印象を残したのは、AT4「コネクションを作る」。エージェント同士を順序立ててつなぎ、ストーリーを積み重ねていくと、離れた箇所にまで影響が及ぶことが視覚的に捉えられ、「だからこうなる」と理由づけできる。その体験が“かなりの衝撃”だったと語ります。
また、語りの最中、誰も話し手の顔を見ていないのに、全員が真剣に耳を傾けている——LSPならではの光景にも強く心を動かされました。
見方の変化:万能ではない、だからこそ丁寧に扱う
受講後に得た感覚は、「何でもできるわけではないが、できることは多い」。体験前には思い描けなかった活用の具体像がいくつも浮かぶ一方で、LSPが“万能”ではないことにも気づいたといいます
とりわけ印象的だったのは、「参加者が“頭で決め打ち”して作品を作り始めると、問いがどれほど良くても意味をなさなくなる」という気づき。手に任せて考えるプロセスが崩れると、LSPの力は発揮されにくい——その限界と条件を、現場での体験としてつかみました。
人との関わり方の変化:待つ、受け止める
4日間を共に過ごす中で、参加者の背景や動機が多様であることを肌で感じ、「みんなが前面に出てくる場ではない」と実感。発言を“黙って待つ”ことを、初日よりも意識的にできるようになったといいます。
場の進め方だけでなく、他者への向き合い方が変わったことも、トレーニングの大きな収穫でした。
これからの実践:教育、地域、そして認知を広げる
仕事の領域では、LSPのエッセンスを子ども向けの場づくりに応用できないかを模索中。「ストーリーまでいかなくても、レゴブロックで表現することが何かの助けになるはずだ」と具体的なイメージが少しずつ形になってきたと語ります。
また、拠点の大阪では、ワンマンな意思決定や発言しづらさに起因する課題を耳にすることが多く、企業へのアプローチを通して対話の場を整える支援をしたいと考えています。LSPの認知度を高めるため、イベント出展などの活動にも意欲を示しています。LSPを使った社外での提供はこれから本格化させていく段階です。
これから受講を考える方へ
最後に、受講を検討している方へのメッセージをそのまま紹介します。
「LSP自体は自分自身もそうですし、周りの人間を変えられる可能性っていうのを秘めてます。自分のできる可能性を増やすために一歩踏み出してみるのは非常におすすめです。もちろん万能ではない前提ですが、メソッドをちゃんと習えば“できること”は増える。興味があるなら、ぜひやってみるべきだと思います」
鈴木 大雅(すずき たいが)/大手通信会社勤務 レゴ®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ
LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内
(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。
対象:
キャリアの軸を模索している方、ファシリテーションや組織づくりに関心を持つ方、教育・研修の現場で「もっと参加者が主体的に関わる場をつくりたい」と感じている方に特におすすめです。企業での研修設計やチーム開発に携わる方、また個人として学び直しを考えている方にとっても、鈴木大雅さんの歩みはヒントになるでしょう。ファシリテーターとしての力を磨き、参加者一人ひとりの声を引き出す場をつくりたいと願う方にとって、LSPは必ず新しい可能性を開くはずです。
トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください。
修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与
2025年は10月・11月・12月に開催予定!
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