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2025-10-12

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第8回

LEGO® SERIOUS PLAY®LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか——その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:

ANA客室乗務員として7 年半勤務後、ニュージーランドでの挑戦や企業の人事・経営企画などを経て、現在はキャリアコンサルタント/メンタルヘルスカウンセラーとして活動する田栗万悠さん。彼女が出会ったLEGO® SERIOUS PLAY®は、言葉では表せない思いや組織の課題をブロックで可視化し、深い対話を生み出す新しい手法でした。


プロフィールとキャリアの歩み

Q】 まずは簡単に自己紹介と現在の活動について教えていただけますか?

田栗万悠(たぐり・まゆみ)と申します。「グリ」と呼ばれることも多いです。現在、組織開発を進める上で現場の声を聴くべく、キャリアコンサルタント/メンタルヘルスカウンセラーとして活動しており、人事部門や経営者の方々と協力しながら社員のキャリアやメンタル面の支援を行っています。

企業と年間の法人契約を締結し、その枠組みの中で必要に応じて現場に伺い面談付きの研修やアセスメント・調査の報告を行っています。

Q】 社会人になられてからのバックグラウンドも伺えますか?

最初のキャリアは全日空の客室乗務員です。20代後半にはチーフパーサーとして客室責任者を務め、機長と連携しながら安全点検やサービス全般を取りまとめました。

世界的な出来事――9.11SARSを経て「キャリアをシフトしたい」と考えるようになり、ニュージーランド・クライストチャーチへ渡航。現地の大学ではホスピタリティマネジメントを学び、クラウンプラザホテルや有名レストランでシニアF&Bとして、サービス(翻訳、通訳含む)提供をしていました。2 年間の挑戦の後、結婚を機に帰国し、人事採用教育・総務・経営企画などバックオフィスなどの管理系業務を通して、社員の個別相談に乗る機会などに恵まれました。

この多様なキャリアが、今のキャリアコンサルタント/メンタルヘルスカウンセラーとしての活動に繋がっています。

LEGO® SERIOUS PLAY®との出会い

Q LSPとの出会いはどのような経緯だったのでしょう?

組織開発の文脈で海外から招聘されるファシリテーターたちがLEGO®を活用したワークショップを開催されることがありました。最初は、そのLEGO®ワークとLEGO® SERIOUS PLAY® LSP)の違いが分かっていませんでした。そこで、弊社で研究会を行っていた際、「ジョブ・クラフティング×LSP」のテーマで友人にワークショップを開催していただいたのです。そのとき、LEGO®ブロックを使うことで想像以上に深い議論が生まれるのを体験し、「これは単なる遊びではない」と直感しました。

LSPは背景に組織開発や心理学の理論がしっかり根付いていることもわかり、知的興奮が冷めない感覚がありました。「アジア・コミュニティ・ミーティング(ACM)」や「グローバル・コミュニティ・ミーティング(GCM)」の存在も知り、「そこに参加するために資格を取りたい」と考えるようになりました。まさに、源流にたどり着くためのパスポートを得る感覚でしたね。

トレーニングの印象

Q】 実際にトレーニングを受講してみての印象はいかがでしたか?

一言で言えば「とにかく面白かった!」です。

私は構造や仕組みを理解するのが好きなのですが、LSPのトレーニングでは「なぜこの手順を踏むのか?」を徹底的に考えさせられました。たとえば、なぜ同じ問いを繰り返すのか、なぜモデルの意味を毎回確認するのか。表面的には単純な手順に見えても、背後には深い意図がありました。

Q】 印象的だった瞬間を教えてください。

日本語版マニュアルを見たときの衝撃です。分厚く細かい規定が書かれていて、「これは大変だ」と思いました。けれども、あれを徹底して基礎をつくることこそがLSPの真価を支えていると気づきました。また、トレーナーの方々が何度も同じ問いを繰り返す姿を見て、「ただの形式ではなく、参加者全員が100%の力を発揮するための設計なんだ」と腹落ちしました。

さらに忘れられないのは「ランドスケープ」と「システム」づくりです。個々のモデルを配置し、さらにコネクタでつなぎ、パノラマとして全体像を俯瞰したときに、一見関係のないピースが意味を持って組み合わさる。その過程で「自分のモデルにはこんな意味があったのか」と再発見する瞬間がありました。参加者全員が一体となって悩み、考え、納得していく姿は、他のワークショップでは味わえないものでした。

あの4日間は、単に技術を学ぶ場ではなく「人と人とがつながる力」を身体で感じる時間だったと思います。終わったときには「これは自分のキャリアにも必ず生きる」と確信しました。

トレーニング後の変化

Q】 トレーニング後、ご自身の仕事や考え方に変化はありましたか?

大きな変化がありました。

以前は「組織をどう変えるか」に重点を置いていましたが、今は「一人ひとりの声をどう引き出すか」にシフトしています。

LSP
は「全員が100%参加する」ことを前提に設計されていますが、これはカウンセリングの場面にもそのまま応用できます。実際に面談の際、「この人がLEGO®ブロックで表現したらどんな世界が立ち上がるだろう」と想像するようになりました。

言葉にできない内面を可視化することで、より深い理解につながる。
LSP
を知る前とは、クライアントとの向き合い方が大きく変わったのです。

現場での実践と葛藤

Q】 実際の現場ではどのように活用されていますか?

オンラインでのカウンセリング、自治体や大学での研修、企業研修など、年間3040回ほど実施していますが、やはり、葛藤はあります。マニュアル通りに進めると色合いが乏しく感じることがありますし、問いの質やフィードバックの仕方はマニュアルに載っていません。

特に変容を求められる研修では「これで良かったのか」と振り返ることが多いです。
参加者が何をハーベストとするか、どんな気づきにつながるかを常に考えながら問いを設計しなければならない。ファシリテーターとしての腕が問われる部分であり、だからこそ日々学びが尽きないのだと思います。

今後の展望

Q】 今後のビジョンを教えてください。

まず興味があるのは「コミュニティのあり方」です。

GCM(グローバル・コミュニティ・ミーティング)で、世界中のファシリテーターがフラットに語り合う姿を見たとき、「なぜこんなにも真剣に遊べるのか?」と心を動かされました。そこには単なる学習以上の価値があると感じました。大人たちが国籍も職業も超えて夢中になれる場はそう多くありません。この経験からLSPコミュニティの仕組みの在り方を研究したい」という想いが芽生えました。

どうすれば人は安心して自己開示し、深い対話に没入できるのか。その条件を整理し、他の場づくりにも応用できるようにしたいのです。私自身、学習への貪欲さを持ち続けており、持続可能なラーニングコミュニティでの学びに大きな関心があり、実際、そうしたコミュニティから多くの恩恵を受けてきました。GCM参加の際も、こうした学びの姿勢が非常に役立ったと感じています。

これからは、ダイバーシティー受容を基本としたコミュニティに貢献できる「海外書籍の読書会」や「得る英語™️」でLEGO®ブロックで作ったモデルを表現する)」などの展開支援もしていきたいと考えています。

また、LSPを単発の研修で終わらせるのではなく、年間を通じて組織の変容を見届けられるようなプログラムを設計していきます。短期的な成果だけでなく、時間をかけてじわじわと起きる変化を支援できる仕組みを作ることがネクストアクションです。

これから受講する人へのメッセージ

Q】 受講に興味を持たれている方や迷っている方に一言お願いします。

LEGO®ブロックは「子供向けのおもちゃ」だと思っている方にこそ、ぜひ体験していただきたいです。

LEGO®ブロックを触っているうちに自己開示が自然と起こり、気づけば深い対話が始まっている。頭で考えるよりも先に手が動き、心の奥の声が形になって出てきます。脳科学とも関連があったりして興味深いのです。特に、頭でっかちになりがちな管理職(上層部)や、キャリアの選択肢をガチガチに決めてしまっている方におすすめです。

「こうあるべき」という枠を一度外して、自分の可能性を柔らかく見つめ直すきっかけをLSPは与えてくれます。

そして、トレーニングを受けると「なぜあの問いをするのか」「なぜこの順序なのか」といった裏側の設計思想がゆるやかに見えてきます。それは単にファシリテーションの技術を学ぶこと以上に、自分自身の思考や関わり方を根本から見直す体験になると思います。迷っているなら、ぜひ飛び込んでみてほしいです。

田栗万悠(たぐり・まゆみ)
キャリアコンサルタント/メンタルヘルスカウンセラー
レゴ®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:

キャリアの軸を模索している方、ファシリテーションや組織づくりに関心を持つ方、教育・研修の現場で「もっと参加者が主体的に関わる場をつくりたい」と感じている方に特におすすめです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習

詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!

お申し込み・詳細はこちら

2025-10-10

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第7回

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか——その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:
IT業界で30年以上営業をはじめマーケティングやコーポレートなど様々な職種や役職で最前線を走り続けてきた尾張真司さん。数々の顧客や組織と向き合ってきた経験の中で出会ったのが、LEGO® SERIOUS PLAY®という対話の手法でした。ブロックを手にした瞬間、人は自然に語り出し、言葉では届かなかった思いや考えが立体的に伝わり始める。――その驚きをきっかけに、尾張さんはファシリテーターとしての道を歩み出しました。


キャリアと背景
Q:まずは自己紹介をお願いします。

尾張真司と申します。現在はIT業界で営業職をしています。今の会社には20年以上在籍しており、長く一つの会社に勤めることが多い日本社会の中でも「外資系やベンチャーを渡り歩いたあとに腰を落ち着けた」という点で、少し珍しいキャリアかもしれません。

キャリアのスタートは新卒で入社したアメリカの外資系企業でした。当時、その企業はLAN(ローカルエリアネットワーク)の老舗で強みを持っていて、これから「ネットワーク社会」が本格的に広がると予感していた私は、迷わず飛び込みました。大学時代は文系でしたので、技術的な知識は決して豊富ではありませんでしたが、「時代の波に乗りたい」「新しい領域で挑戦したい」という気持ちが強かったんです。

その後、外資系を中心にグループウェアやアプリケーションなどいくつかのレイヤの会社を経験し、ベンチャー企業で立ち上げを支えたこともあります。環境が変わるたびに新しいカルチャーや働き方を学びましたし、ときには失敗から多くを学ぶこともありました。

今振り返れば、チャレンジを続けたキャリアでしたね。また今の会社では若い営業の研修講師や新任や既存マネージャー職の1 on 1の実践トレーニングをコンテンツ開発から行うなど人材育成やコーチング業務も約10年程実施してきました。そうした背景や経験があるからこそ、LSPに出会ったときにも「色々な業務に親和性がある、面白い、やってみたい」と素直に感じられたのかもしれません。

LSPとの出会い
Q:LSPを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

最初にLSPに触れたのは2022年の夏でした。当時、私は会社のコーポレート部門でチームビルディング研修の企画する側でした。幾つかのプログラムの中から、採用されたのがLSPでした。私は純粋な参加者ではなく、企画者として関わったのですが、実際にセッションに参加してみると、想像以上の変化を目の当たりにしました。

普段は会議で意見が出にくい社員が、レゴを手にすると饒舌に語り始めたり、普段は発言の少ない方が自分の想いを堂々と形にして共有したりする。その場にいた全員の表情がどんどん変わっていくのを見て、「これはすごい」と心から思いました。言葉ではなく、手を使って考え、形を通して語る――これまでの研修では得られなかった体験でした。

セッション後、すぐにファシリテーターの方に「自分もやってみたい」と声をかけました。そこで資格制度があることを知り、受講を検討し始めました。ただそのときはタイミングが合わず、1年ほど間を空けてしまいましたが、思いを諦めることはありませんでした。そして2023年、ようやくトレーニングに参加することができたのです。

トレーニングでの体験
Q:実際にトレーニングを受けてみて、どんな印象を持ちましたか。

4日間のトレーニングは想像以上に濃厚でした。特に印象的だったのは、「組織のためのリアルタイムストラテジー」というアプリケーションでした。そのプロセスの中で、エージェントと呼ばれる、いわゆる「ステークホルダー」を一つ一つレゴで表し、コネクターで関係性をつなぎ、さらにイベントや緊急事態をシナリオとして投入する――そうすると、普段の会議ではなかなか見えてこない「関係の構造」や「影響の連鎖」が立体的に浮かび上がってくるんです。まるでシミュレーションゲームをプレイしているような感覚でありながら、実際の組織課題に直結している。これは経営企画や戦略立案の現場にこそ必要だと実感しました。

さらに、自分たちの「譲れない価値観」を持ち寄って共有モデルを作るワークも心に残りました。個人の思いを形にし、それを一つに統合していく過程では、お互いに意見の違いが浮き彫りになります。でもその違いこそが議論を深め、モデルを豊かにしていく。最終的に完成したモデルには、参加者全員のエッセンスが込められていて、見るだけで「自分たちはこういうチームなんだ」と実感できるんです。

タイミング的にも、コロナ禍が明ける頃で、リアルな場でのコミュニケーションを再構築する必要がありました。オンライン会議では得られなかった「本当に相手とつながっている感覚」を取り戻せたのは大きな収穫でしたね。

得られたもの
Q:トレーニングを通じて得られた最大の収穫は何ですか。

一番は「仲間」との出会いです。4日間という短い時間ですが、濃密に共に学んだ仲間やファシリテーターとは、今も交流が続いています。同期以外のファシリテーターともコミュニティでお互いの現場での実践をシェアし合ったり、情報交換をしたり、時には相談に乗ってもらったり。単なる学びの場を超えて、人生の財産になりつつあると感じています。

もう一つは「新しいコミュニケーション手段を得たこと」です。レゴを介して会話するという手法は、言葉だけのやり取りでは得られない深さを生みます。例えば、自分の思考や感情を言葉にするのが苦手な人でも、ブロックを使えば自然に表現できる。そしてそのモデルを前にすれば、相手も理解しやすくなる。これは家庭や地域活動でも使えるし、ビジネスの現場ではなおさらです。正直、このメソッドを知らずに人生を終えていたら、大きな損失だったとすら思います。

実践の場での手応え
Q:現在、どのようにLSPを活用されていますか。

私はIT業界で特に営業という立ち位置が長かったこともあり、社内外の多くの人と関わる機会がありました。その人脈を活かし、日系や外資系IT企業のオフサイトミーティングなどでLSPを導入しています。テーマはチームビルディングが中心ですが、組織の課題共有やビジョン策定や浸透にも応用できると感じています。

セッション後にアンケートを取ると、8〜9割の参加者がポジティブな反応を示してくれます。「普段の研修よりも圧倒的に楽しく、学びが深い」「話しにくいことも自然に言えた」などの声をいただきます。もちろん中には懐疑的な意見もありますが、それは全体のごく一部。むしろ「またやってみたい」「他のテーマでも試したい」と言われることが多く、ここに大きな手応えを感じています。

今後の展望
Q:これからの展望を教えてください。

今後はLSPを活動のコアに据えながら、キャリアコンサルタントのノウハウなども掛け合わせ、サービスの幅を広げたいと思っています。企業のイノベーションや個人のキャリア支援と組織の変革支援をLSPで橋渡しできれば、多くの人の人生や組織の在り方に良い影響を与えられると考えています。

すでに「ブリックスタイルラボ」という屋号を掲げていますのでLSPをコアに活動することはブレずに継続していきたいと思います。4〜5年後には本業として独立し、LSPを中心にした活動で生計を立てるのが大きな目標です。そのためにも今は、実績を積み、事例を増やし、信頼を築く段階だと思っています。推しのスポーツチームにLSPでワークショップをするのも夢ですし、楽しんで仕事もしていきたいですね

トレーニングの受講料は確かに安くはありません。しかし、実際に活用してみると、その価値は十分にあると断言できます。むしろ「これだけの可能性があるなら安い」とすら思えます。もし迷っている人がいるなら、ぜひ一歩踏み出してほしい。LSPは単なる研修ツールではなく、人と人とをつなぎ、人生そのものを豊かにするメソッドだと私は確信しています。

 

尾張真司
レゴ®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


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対象:

キャリアの軸を模索している方、ファシリテーションや組織づくりに関心を持つ方、教育・研修の現場で「もっと参加者が主体的に関わる場をつくりたい」と感じている方に特におすすめです。尾張真司さんのように仕事や職場で使える「新しいコミュニケーション手段」を求めている方には新しい武器となるでしょう。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習

詳しくはこちらをご覧ください。

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2025年は10月・11月・12月に開催予定!

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2025-10-01

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第6回


今回のインタビュー
2025年8月にLEGO® SERIOUS PLAY®(以下LSP)の4日間トレーニングを受講したばかりの鈴木大雅さん。現在は大手通信会社でシステムの保守・運用監視を担当しており、LSPを使った活動はこれから立ち上げていく段階です。

社内のワークショップで初めてLSPに触れ、「これは面白い」と強い関心を持つ一方で、同じ場にいながら「所詮お遊び」と受け止める人もいた——そのギャップへの疑問が、学びを深める出発点になりました。


出会いの衝撃と、芽生えた疑問
最初のきっかけは、社内で実施されたLSPのセッションでした。ダックチャレンジで「同じ“アヒル”でも人によって形がまったく異なる」ことに衝撃を受け、個人ワーク(AT1)では上司の考えを“作品を通して”理解できる不思議さを体感。「言葉以上の理解」を得られる感覚が残ったと振り返ります。


一方で、同じ場にいたメンバーの中には「レゴのお遊び」「意味がない」と感じた人もいました。なぜ同じ体験なのに、こうも受け止めが異なるのか——この“差”の理由を探りたいという思いが強まり、LSPの本質を自分で確かめるためにトレーニング受講を決めました。

受講の動機:参加者から、提供者へ
受講前は、LSPで「チームビルディングのようなことができそうだ」という漠然としたイメージはあったものの、メソッドを使って“何がどこまでできるのか”は具体的に描けていなかったといいます。体験者としての興味を出発点に、「中身をもっと知り、自分でも扱えるようになりたい」という探究心が受講の背中を押しました。

トレーニングでの気づき:見えてきた「つながり」と場の聴き方
4日間で最も強い印象を残したのは、AT4「コネクションを作る」。エージェント同士を順序立ててつなぎ、ストーリーを積み重ねていくと、離れた箇所にまで影響が及ぶことが視覚的に捉えられ、「だからこうなる」と理由づけできる。その体験が“かなりの衝撃”だったと語ります。


また、語りの最中、誰も話し手の顔を見ていないのに、全員が真剣に耳を傾けている——LSPならではの光景にも強く心を動かされました。

見方の変化:万能ではない、だからこそ丁寧に扱う
受講後に得た感覚は、「何でもできるわけではないが、できることは多い」。体験前には思い描けなかった活用の具体像がいくつも浮かぶ一方で、LSPが“万能”ではないことにも気づいたといいます


とりわけ印象的だったのは、「参加者が“頭で決め打ち”して作品を作り始めると、問いがどれほど良くても意味をなさなくなる」という気づき。手に任せて考えるプロセスが崩れると、LSPの力は発揮されにくい——その限界と条件を、現場での体験としてつかみました。

人との関わり方の変化:待つ、受け止める
4日間を共に過ごす中で、参加者の背景や動機が多様であることを肌で感じ、「みんなが前面に出てくる場ではない」と実感。発言を“黙って待つ”ことを、初日よりも意識的にできるようになったといいます。

場の進め方だけでなく、他者への向き合い方が変わったことも、トレーニングの大きな収穫でした。

これからの実践:教育、地域、そして認知を広げる
仕事の領域では、LSPのエッセンスを子ども向けの場づくりに応用できないかを模索中。「ストーリーまでいかなくても、レゴブロックで表現することが何かの助けになるはずだ」と具体的なイメージが少しずつ形になってきたと語ります。

また、拠点の大阪では、ワンマンな意思決定や発言しづらさに起因する課題を耳にすることが多く、企業へのアプローチを通して対話の場を整える支援をしたいと考えています。LSPの認知度を高めるため、イベント出展などの活動にも意欲を示しています。LSPを使った社外での提供はこれから本格化させていく段階です。

これから受講を考える方へ
最後に、受講を検討している方へのメッセージをそのまま紹介します。

「LSP自体は自分自身もそうですし、周りの人間を変えられる可能性っていうのを秘めてます。自分のできる可能性を増やすために一歩踏み出してみるのは非常におすすめです。もちろん万能ではない前提ですが、メソッドをちゃんと習えば“できること”は増える。興味があるなら、ぜひやってみるべきだと思います」

鈴木 大雅(すずき たいが)/大手通信会社勤務 
レゴ®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:

キャリアの軸を模索している方、ファシリテーションや組織づくりに関心を持つ方、教育・研修の現場で「もっと参加者が主体的に関わる場をつくりたい」と感じている方に特におすすめです。企業での研修設計やチーム開発に携わる方、また個人として学び直しを考えている方にとっても、鈴木大雅さんの歩みはヒントになるでしょう。ファシリテーターとしての力を磨き、参加者一人ひとりの声を引き出す場をつくりたいと願う方にとって、LSPは必ず新しい可能性を開くはずです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!

お申し込み・詳細はこちら

2025-09-30

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第5回

今回のインタビュー:
地場企業を集めた「サステナビリティ研究会」を企画した際、参加者の学びを十分に引き出せず、ファシリテーターとしての力不足を痛感した池田美紀子さん。お客様に価値を届けられなかった悔しさから、青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラムを受講しました。その後、さらなる実践を求めて出会ったのがLSP(LEGO® SERIOUS PLAY®)。2023年、4日間のトレーニングを修了した池田さんは、社内外の企画や顧客との共創の場でLSPを活用し始めています。彼女がどのようにLSPを自身のキャリアに取り込み、場づくりの可能性を広げているのかを紹介します。


学びのデザインを求めて
当時、地場企業を集めて「サステナビリティ研究会」を企画した際、池田さんはファシリテーターとして場を進行したものの、参加者一人ひとりの気づきや学びを十分に引き出すことができませんでした。当時の彼女にとってファシリテーターとは「会議の進行役」にすぎず、結果としてお客様に満足していただける価値を提供できなかった。その悔しさこそが、青学のプログラムを受講する動機になったのです。

このプログラムを通じて、ファシリテーションは単なる進行ではなく「人々の中にある思いや経験を引き出し、対話を通して共有し合う営み」であることを知りました。そして、さらに実践的な手法を求める中で出会ったのがLSPでした。ブロックを媒介に誰もが安心して自分の考えを表現できる――その特性に強く惹かれ、池田さんは4日間のファシリテータ養成トレーニングを受講する決意を固めたのです。

トレーニングで得た視点と手応え
4日間のトレーニングでは、単なる手法の習得を超えて、LSPの哲学を深く体感することになりました。池田さんが特に印象的だったのは、「作品を介して語ることで、誰もが安心して自分の考えを表現できる場が生まれる」という体験です。そしてもうひとつ心に残ったのは、同じグループの一人ひとりがつくった作品の意味をしっかり記憶することを求められるという体験でした。

「普段の会議では、人の意見を聞いてもすぐに忘れてしまったり、流れに飲み込まれてしまうことが多い。でもLSPでは、全員の作品に意味があり、それを覚えていることが前提になる。だからこそ対話が深まり、互いを尊重する姿勢が自然に生まれるのだと感じました。」

この気づきは、池田さんにとってLSPの本質を理解する大切な手がかりとなりました。

LiveOffice ViCreA 立川での挑戦 (ViCreA:ValueInnovationCreativeArea)
池田さんが携わった具体的な実践のひとつに、勤務先である西東京事業所のオフィスリニューアルプロジェクトがあります。ここでは、関係者を巻き込みながら「友人や家族に誇れるオフィス」を共に考える対話の場が必要でした。

従来型のアンケートや会議では拾いきれない声をどう集めるか。その解決策として導入されたのがLSPです。参加者はブロックを組みながら、自分が望むオフィスの姿を形にして共有しました。そこから出てきたアイデアは、単なる意見の寄せ集めではなく、互いの思いが重なり合い、未来像として結晶化したものでした。

「一人では気づけなかった視点が、作品を通してつながっていく。その瞬間に立ち会えたことが、何より嬉しかったですね。」

この経験は、LSPが「合意形成」や「未来づくり」の場でも力を発揮することを改めて証明するものとなりました。

キャリアの中で広がるLSPの可能性
池田さんにとってLSPは、単なるワークショップの手法ではなく、キャリアそのものを形づくる大切な要素になっています。教育や人材育成の現場だけでなく、地域づくりや組織開発の場でも応用が広がり、活動の幅は年々広がりを見せています。

「LSPを通じて、自分自身が変わっていくのを感じています。人の話を“聴く”姿勢、場をデザインする視点、そして何より『一緒につくる』ことの価値を大切にするようになりました。」

これからLSPファシリテータ養成トレーニングを受講する方へ
最後に、これからLSPを学ぼうと考えている方へ池田さんはこう語ります。

「LSPは本や説明だけではなかなか伝わらないものです。実際に体験することで、その場の空気や人とのつながりから得られる気づきがあります。迷っている方も、まずは一歩を踏み出して体験してみてください。きっと、自分自身のキャリアや活動に新しい視点をもたらしてくれるはずです。」

その言葉通り、池田さん自身が一歩を踏み出したことで、学びとキャリアは大きく広がりました。次にその扉を開くのは、これを読んでいるあなたかもしれません。

池田美紀子さん
リコージャパン株式会社 西東京支社 西東京コーディネート営業部 プロモーショングループ
ワークショップデザイナー/LSPファシリテータ養成トレーニング修了認定ファシリテータ

*「ViCreA(ヴィクレア)」は、リコージャパンのワークスタイル変革へのチャレンジを
お客様に体感いただく「LiveOffice」で、全国各地域に81拠点を開設しています。
https://www.ricoh.co.jp/sales/liveoffice


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:

キャリアの再設計やスキルアップを考えている方、企業での人材育成や営業・企画の現場に携わる方、組織の会議やプロジェクト推進をもっと活性化したいと考えている方に特におすすめです。社内外で顧客やパートナーと「共創の場」をつくりたい方、会議を単なる進行の場から意味ある対話の場に変えたい方にも大きなヒントになるでしょう。

池田さんのように、ファシリテーターとしての力を磨き、参加者一人ひとりの声を引き出す場をつくりたいと願う方にとって、LSPは必ず新しい可能性を開くはずです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!

お申し込み・詳細はこちら

2025-09-26

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第4回

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか――その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:
付箋では“正解らしい言葉”しか出てこない――行政・企業の新規事業づくりの現場で壁にぶつかっていた谷津さんは、2023年4月にLSPトレーニングを受講。「プロセスを信じろ」を胸に、わずか2週間後の現場で導入しました。いまは教育と事業開発をつなぐ「ワガママLab」でも課題を可視化する核としてLSPを位置づけています。谷津さんがどのようにLSPを活用し、現場の対話を変えてきたのかを紹介します。


本音と向き合うワークショップ:LSPとの出会い

谷津さんは、行政や企業向けに新規事業開発の支援を行う中で、ある共通の課題を感じていたといいます。それは、「参加者が本音を話すことに慣れていない」こと、そして「付箋を活用したワークショップが上手くいかない」ことでした。多くの日本人は、すでに意見を持っているわけではなく、その場にふさわしい「正解」を書いてしまう傾向があるため、後日その内容を実践に活かそうとしても、全く使えない状態に頻繁にぶつかっていたそうです 。

このような課題意識から、「このままでは成果が出ない」と感じた谷津さんは、知人がLSPを実践していることを知り、受講を決意します。最初にLSPに触れた時から「いつか機会があれば必ず受講しよう」と心に決めていたといいます 。

プロセスを信じろ:トレーニングでの学び

2023年4月にLSPファシリテーター養成トレーニングを受講した谷津さんは、4日間という長いトレーニング期間で、多くの学びと気づきを得ました。中でも最も印象的だったのは、トレーナーから繰り返し言われた「

プロセスを信じろ」という言葉でした 。

それまで、ワークショップのファシリテーションにある程度の自信を持っていた谷津さんは、時として「このままではうまくいかなそうだ」と感じると、その場でやり方を変えてしまうことがあったといいます。しかし、LSPのトレーニングを通じて、定められたプロセスに忠実に従うことの重要性を学びました。そして、その通りに実践することで、ワークショップが成功することを実感したそうです 。

また、初日に実施された、参加者各自の「仕事」をブロックで表現するワークも、谷津さんにとって衝撃的な体験でした。普段はなかなか語られない、それぞれの仕事に対する深い思いや、抱えている葛藤、そして「悪夢のようなチームメンバー」のお題に対して作品を作成している時、谷津さんは、「ここまでみんな出すんだ」と驚き、LSPが人の内面を素直に引き出す力を持つことを改めて認識しました 。

誰かの人生を変える力:LSPの実践

トレーニング終了後、谷津さんはすぐにLSPを実践に移しました。トレーニング終了からわずか2週間後には、行政事業の中で地域住民の「普段の仕事や生活の中であきらめていることや我慢していること」を可視化し、地域活動につなげる「ワガママ会議」でLSPを導入しました 。

その後も、行政や企業でのLSPの活用を継続し、多くの成果を上げています。特に印象的なのは、LSPが人の「自己肯定感」を高める瞬間です 。行政職員向けのワークショップの中で、参加者の1人である水道課の職員が、自身の仕事を「地域の人々が安全に水道インフラを使えるようにする守り人」と表現した時、周りのチームメンバーから大きな共感と感動が生まれました 。LSPは、書類仕事のような細かい業務内容を語るのではなく、その仕事に込めた思いや、より抽象的な意味合いを表現させることで、参加者同士の相互理解を深め、自分たちの仕事の意義を再認識させる力を持っています 。

さらに、谷津さんのワークショップを体験した参加者のうち、3~4人が実際にLSPのファシリテーター養成トレーニングを受講しているといいます 。これは、他のワークショップ手法ではなかなか見られない現象であり、LSPが人を動かし、人生を変える力を持っていることの証であると語ります 。

未来への展望とLSPが持つ可能性

谷津さんは現在、「コンピュテーショナルアクション(計算論的実践)」という概念を掲げ、コンピュータを使って誰かの課題を解決する、スマートフォンアプリ開発のプログラム「ワガママLab」を国内外の教育機関に提供しています 。

この活動において、谷津さんはLSPが果たす役割の大きさを感じています。何かを作るプログラミングの前に、まずLSPで「誰かの課題」を可視化し、考えを整理することが非常に重要だと考えています 。LSPは、自分の考えがまとまっていない人や、何を言えばいいか分からない人の思考の整理に、非常に有効なツールとなるからです 。

最後に、これからLSPファシリテーターを目指す方々へのメッセージを求めると、谷津さんは力強くこう語ってくれました。「LSPは、誰かの人生をポジティブに変化させる機会を与えてくれます。自分が関わることによって、誰かの人生を変えられるような人になりたいと思っている人がいたら、LSPは間違いなくそのツールです」 。

LSPは、単なるワークショップツールではありません。それは、人々が自分自身や他者と向き合い、本質的な課題を浮き彫りにし、ポジティブな変化を生み出すための、強力な人生の変革ツールなのです。

谷津さんの率いる IRODORI では、現在、ワガママLabを海外の教育機関へのプログラム導入を加速させており、一緒に活動してくれる仲間を探しています。特に、英語が話せるLSPファシリテーターを求めているとのことです 。

注釈:「コンピューテーショナルアクション(Computational Action 計算論的実践)」とは、MITのハル・アベルソン教授が提唱する、スマホなどの装置を使って自分自身や地域の課題を解決していこうとする思想とこの思想に共鳴した人々が世界で実践する運動を指します。

参考:https://raise.mit.edu/research/research-projects/computational-action/

谷津孝啓 さん
株式会社IRODORI 代表取締役
https://irodori-group.jp/
https://wagamamalab.jp/posts/meeting/

LEGO®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:

キャリアチェンジや学び直しを考えている方、教育・人材育成の現場に関わる方、組織開発やチームづくりに取り組む方、そして「今の会議や話し合いの場をもっと意味あるものに変えたい」と思っている方に特におすすめです。学校教育や探究学習、地域活動や学習デザインに携わる方、学びの場をもっと対話的で創造的にしたいと考える方におすすめです。

谷津さんのように、現場で参加者が自ら語り出す瞬間を大切にしたい方にとって大きなヒントとなるはずです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!

お申し込み・詳細はこちら。

2025-09-25

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第3回

森本繁生さん「言語化の壁を越える「レゴ®シリアスプレイ®」の力」

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか—その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。


「TOC 理論※を使えば、経営の課題は論理的に整理し、突破口を見つけられる」。長年そう信じて現場に向き合ってきた経営支援の専門家が、あるとき大きな壁に突き当たりました。

※TOC(Theory of Constraints)は、制約理論と訳され、システム全体のパフォーマンスを最⼤化するために、ボトルネック(制約)を特定し、それを最⼤限に活⽤することに焦点を当てた経営管理の枠組みです。

株式会社こきょうで 28 年間にわたり企業の経営改善に携わってきた 森本繁生さん。経営シミュレーションゲームや TOC 理論を駆使し、多くの企業の改革を支援してきました。しかしその実践の中で、これまでの「言語による論理構築」だけでは届かない領域があると強く感じ始めたのです。

言語化できない人たちとどう向き合うか
森本さんが直面していたのは、研修や会議の場で「言葉にできない」人たちが増えて
いるという現実でした。TOC 理論は「論理的に考え、論理的に表現する」ことを前提に成り立ちます。因果関係を図にし、対立の構造を整理し、打開策を導く――このプロセスは強力である一方、参加者が「自分の考えを言葉で外に出せる」ことが大前提です。

「TOC 理論は論理的に考え、言葉にして初めて使えるものです。でも現場に出ると、“考えはあるけれど言語化できない”“言葉にしようとすると止まってしまう”人が少なくない。これだと付箋も書けないし、成果物も形にならない。言葉を持てない人をどう支援すればいいか、強い課題意識を持つようになりました」

例えば新入社員研修の場で、若手が「何を言えばいいかわからない」と下を向いたまま時間だけが過ぎる。あるいは管理職会議で、暗黙の了解が多すぎて本音が出てこない。そんな状況が繰り返されていました。「言葉にできない=参加できない」という現場の空気に、森本さんは大きなもどかしさを感じていました。

レゴ®シリアスプレイ®との出会い
そんなときに出会ったのが「レゴ®シリアスプレイ®(LSP)」でした。
森本さんは、ブロックを使って自分の考えを形にするという手法に直感的な可能性を感じたといいます。

「ブロックを使うことで、言葉がなくても考えを形にできる。これなら“言葉にできない人”も参加できるのではないか――。そう思った瞬間、これまで抱えていた課題が一気に解けるような感覚になりました」

「手で考える」という逆転の体験
実際にトレーニングを受けてみると、その感覚は確信へと変わりました。LSP の基本ルールは、頭で考え込む前にブロックを手に取り、直感的にモデルをつくること。

「気がつくと手が勝手に動いていて、作品ができているんです。頭で正解を探そうとするのではなく、あとから自分で意味をつければいい。このプロセスには大きな安心感がありました。『自分が意味を与えればそれが正解になる』という感覚は、TOC 的な論理の世界では味わえなかったものでした」

これは、普段から「正しい答えを導く」ことを求められる経営支援の現場とはまったく異なる体験でした。間違いも正解もなく、ブロックに触れる手の動きが思考を先導していく。この「逆転の思考プロセス」は、森本さんにとってまさに目から鱗が落ちる体験でした。

驚きの合意形成スピード
さらに印象に残ったのは、参加者全員で「共有モデル」をつくるセッションでした。

「あっという間に共通の言葉が生まれ、全員で合意できてしまったんです。しかも、その言葉を二日間ずっと全員が覚えている。これはこれまでにない“腹落ち感”でした」従来の会議では「言葉の定義」が最大の障害になることが多々あります。同じ「顧客志向」という言葉を使っていても、人によってイメージがバラバラ。定義合わせに延々と時間がかかり、結局本質的な議論にたどり着けない――そんな経験は誰しもあるはずです。

しかし LSP では、モデルという視覚的で触れられる対象を共有することで、言葉の解像度が一気に上がります。モデルを指差しながら「これが私にとっての顧客志向です」と説明すれば、そのニュアンスが直感的に相手に伝わる。だから合意形成が速く、深いレベルで「わかり合える」。森本さんはそのスピード感に驚きを隠せませんでした。

信頼関係を生み出すプロセス
もうひとつの大きな発見は「信頼関係の生まれ方」でした。

「今までいろいろな講座や研修を受けてきましたが、ここまで濃密なチーム感を得られたのは初めてです。4 日間で築いた信頼は、その後もコミュニティで続いている。学んだこと以上に、人とのつながりそのものが大きな価値でした」

ブロックを通じて自己を表現し、相手の物語を真剣に聴き、また自分の物語を受け止めてもらう。この繰り返しが「言葉以上の信頼」を生み出していくことを体感したといいます。

これは単なるワークショップ以上のもの―「人間関係を根本から変えるプロセス」だと森本さんは語ります。実務への応用と手応え受講後、森本さんはさっそく自身の研修や経営支援の現場に LSP を取り入れ始めました。

「合意形成のスピードと深さが違います。単なるワークショップの一手法ではなく、経営改革の現場に直結する“実践的なツール”だと確信しました。今は、LSP をどう TOC理論と組み合わせていくかを模索しているところです」

「言葉にできない人が排除されない」「多様な視点が自然に出てくる」――これが LSPの最大の強みだと森本さんは実感しています。

これから挑戦したいこと
森本さんがこれから挑戦したいのは、「LSP と TOC の融合」です。TOC 理論の持つ論理性と、LSP の持つ直感的で創造的な力。この両者を組み合わせることで、経営改革の現場に新たな可能性を生み出せるのではないか――。

「TOC は頭で考える力、LSP は手で考える力。両方を組み合わせることで、これまで届かなかった領域に踏み込めると思います」森本さんは、そんな未来の可能性を描きながら、今も挑戦を続けています。

受講を検討している人へ
最後に、森本さんからこれから受講を検討している方へのメッセージを紹介します。

「私はもともと、TOC 理論という“言葉と論理”を軸にして活動してきました。でも、その限界を感じたからこそ LSP を学んでみようと思った。実際にやってみて、『こんなに手が動いてくれるんだ』『自分の中にまだこんなに表現できるものがあったんだ』と強く実感しました。もし今、“自分の思いをうまく言葉にできない”“メンバーの考えをもっと引き出したい”と感じているなら、LSP は必ず役立ちます。言葉にできなくても、ブロックを通じて考えが形になる。その体験をぜひ味わってほしいです」

森本さんが語るように、LSP は「言葉にできない想い」を形に変え、チームの共通理解へとつなげる力を持っています。論理で語ることに強みを持つ人も、言葉が苦手で表現を諦めていた人も、同じテーブルで対等に参加できる。そこにこそ、この手法の本質があります。

まとめ
論理を武器に経営支援を行ってきた森本繁生さん。
その彼が「言語化の壁」という大きな課題に向き合い、レゴ®シリアスプレイ®を学んだことで新しい道を切り拓きました。手で考え、モデルで語り、信頼を育む。それは単なるワークショップの一技法ではなく、人と組織の可能性を大きく広げる力です。

そして、森本さん自身が実感したように――

「言葉にできない人でも参加できる」「誰もが自分の想いを形にできる」。

そんな体験を求める人にとって、LSP は強力な選択肢となるはずです。

森本繁生さん 株式会社こきょう 代表取締役
LEGO®シリアスプレイ®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:
キャリアチェンジや学び直しを考えている方、教育・人材育成の現場に関わる方、組織開発やチームづくりに取り組む方、そして「今の会議や話し合いの場をもっと意味あるものに変えたい」と思っている方に特におすすめです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください:

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定。
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2025-09-24

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第2回

 

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか——その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:
東京都で小学校教員をしていた森本さんは、「どうすれば子どもたちが学びに前向きになれるのか」という問いを持ち続けていました。2013年、教員を辞め、シンガポールで4日間のLSPトレーニングに参加。

言葉の壁を越え、世界の仲間と協働する体験が、彼の人生をどう変えたのか——


教員からファシリテーター  – 受動的な学習への課題意識
森本さんは、東京都で9年間、小学校教員として教壇に立っていました。その中で、多くの児童が「学びたいと思って学んでいるわけではない」という受動的な状況に直面し、「どうやって彼らに必要な学びを届けるか」という大きな課題を抱えていたといいます。そんなときに出会ったのがLSPでした。初めてワークショップを体験したとき、「この手法なら子どもたちも前のめりになって学んでくれるはず」と直感します。そして2013年、教員を辞めた直後にシンガポールで4日間のLSPファシリテーター養成トレーニングを受講する決意をしました。

言葉を超えた対話 – シンガポールでのトレーニング
国際トレーニングは、当時フィリピンに住んでいた森本さんにとって、言語の壁という新たな挑戦でもありました。

「講師の英語は半分しか理解できなかった」と振り返りますが、それでも得た経験は今も大きな財産だといいます。

「分からなくてもいいや、これを機に勉強しよう。」

覚悟を決めて臨んだトレーニングでは、LSPの「ブロックで考えを表現する」という特徴が森本さんを助けました。特に、英語が母語ではない森本さんがインド人の女性とペアを組んでワークショップを設計した経験は強く印象に残っているそうです。言葉の壁を超え、ブロックを介して互いの考えを共有し、一つの作品を作り上げました。

さらに、トレーニング中に他の受講者が森本さんを表現するレゴ作品を作ってくれたとき、「自分の内面の一側面が正確に捉えられている」と感じ、LSPが言葉にできない思いや考えを伝える強力なツールであることを実感したといいます。

組織変革の波に乗る – LSP普及の12年
帰国した当初、LSPは日本でほとんど知られておらず、仕事として成立させるのは難しかったといいます。それでも少しずつ関心を持つ「イノベーター」たちが現れ始めました。この12年間で、日本の組織が抱える課題は大きく変化しました。昭和型のピラミッド組織では上意下達が当たり前でしたが、成果を出すため、若い世代のエンゲージメントを高めるために、オープンでフラットな組織の必要性が高まってきたのです。

「上意下達の組織で『対話しましょう』と言っても普通の研修ではうまくいかない。」

LSPなら誰もがオープンに語れる場がつくれます。その力を多くの企業が評価し、「うちの組織でもやりたい」と採用するケースが増えていきました。

森本さんが携わったプロジェクトは、ミテモ株式会社での活動や個人事業主としての依頼を含めると500社以上に及びます。当初は「おもちゃでしょ」と冷ややかだった業界の人たちが、組織課題に行き詰まったとき「お願いします」と依頼してくるようになった変化を実感しているそうです。

LSPの哲学を核に – ジン・ジーン プロジェクト
近年は、定型的なLSPワークショップから一歩離れ、より深く複雑な組織課題の解決に焦点を当てています。その中心にあるのが森本さんが「ジン・ジーン」プロジェクトと名付けたビジョンです。「ジン・ジーン」には、人としての思いやりを意味する「仁」と、感動の「ジーン」の二つの意味を込めているといいます。森本さんは「仁」とはインサイト(洞察力)であると知り、それに強く共感を覚えました。

「今は、相手が本当に求めているものを深く理解することこそが、対話と価値創造の根幹にあると考えています。」

この哲学は、LSPトレーニングで学んだ「創造的で対話的な場」のつくり方と通じるものがあります。森本さんはLSPを前面に出すことは減ったものの、その根幹にある哲学をより高度な組織変革に活かし続けています。

「世界への冒険のチケット」を手に
今後は「人」プロジェクトを軸に、日本人の海外進出支援や、日本社会の移民受け入れに伴う異文化間教育に取り組んでいきたいと語ります。

LSPトレーニングを検討している人へ、森本さんは「山登り」に例えてメッセージを送ります。

「人生はエベレスト登頂のような難所の連続であり、LSPはその困難を乗り越えるためのツール。」

LSPは仲間とアイデアを共有し、自分が本当に登りたい山を見つけて登り続けるための助けになります。そして最後に、森本さんはLSPを「自分の冒険を世界に広げるチケット」と表現しました。LSPファシリテーターになると、国境を越えてさまざまな国の人々と協働できる。これは他のツールにはない価値だといいます。

森本さんのキャリアは、個人の課題を解決するための一歩が、多くの組織や人々の変革を促し、世界へとつながっていく物語です。LSPはその物語を紡ぐための強力なツールであり、森本さんの活動の土台となる哲学として生き続けています。

森本 康仁さん
きづきくみたて工房 代表
LEGO®シリアスプレイ®メソッドと教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:
キャリアチェンジや学び直しを考えている方、教育・人材育成の現場に関わる方、組織開発やチームづくりに取り組む方、そして「今の会議や話し合いの場をもっと意味あるものに変えたい」と思っている方に特におすすめです。

森本さんのように、現場から組織やチームの変化を起こそうとする方にとって、大きな示唆を与えるはずです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!
お申し込み・詳細はこちら:https://www.seriousplay.jp/blog/information/2025tr-10-12/

2025-09-22

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第1回

下田泰奈さん「変化をつくる人のための学びの場」

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか—その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:
2019年3月、東京での4日間のLSPファシリテータ養成トレーニングに参加した下田泰奈さん。大学転職直後の不安や新しい挑戦への迷いを抱えながら、ブロックを使った対話で「こんなにフラットに話せる場があるんだ」と衝撃を受けたと語ります。

その経験が、下田さんのキャリアと研究の方向性をどう変えたのか


キャリアチェンジは、多くの人にとって大きな決断です。特に、畑違いの分野に飛び込むとき、 新しい環境にどう適応し、自分のスキルを活かしていくか、悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、 過去にそんな転機を経験された下田泰奈さんに、これまでのキャリアと、レゴ®シリアスプレイ®(以下、LSP)との出会い、そしてその後の活動についてお話を伺いました。

予期せぬキャリアチェンジと LSP との出会い
下田さんは、2018 年までドイツの化学メーカーや日本の企業で会社員として働いていました。しかし、ある縁をきっかけに、アカデミック分野へキャリアチェンジします。この決断は、ご本人にとって大きなものでした。ビジネス分野とアカデミック分野では、物事の進め方や考え方が大きく異なり、新しい環境に慣れようと試行錯誤していた頃だったそうです。

そんな中、偶然にも LSP のワークショップに参加する機会を得ます。この一回のワークショップが、 その後の下田さんの人生に大きな影響を与えることになります。もともと小さい頃からレゴブロックが好きだったという下田さんは、「ブロックを介して人と人が対話する 」という LSP の手法に衝撃を受けました。特に魅了されたのは、LSP がもつ対等な世界観です。 ビジネスでもアカデミックでも、 名刺で始まるコミュニケーションが一般的です。 一方、LSP の場合、 参加者を繋ぐ共通項はブロックのみ。 ワークショップの間は、 国籍や世代、 性別、所属も役職も一切関係なく、 参加者全員がフラットに対話します。ブロックの前では誰もがそれぞれに価値観や人生観をもつ一人の人間です。

LSP はそのカラフルなブロックの力を借りて、 楽しみながら、 真剣に、 対話を通して課題を考えるワークショップです。下田さん自身、 ブロックを介したコミュニケーションを初めて経験し、 普段はなかなか話せないような本音や考えを、お互いに否定することなく共有できることに大きな可能性 を感じたといいます。

ファシリテーター養成トレーニングでの気づき
この経験がきっかけとなり、下田さんは 2019 年にファシリテーター養成トレーニングを受講します。トレーニングの期間中、最も印象的だったこと、そして今でも「財産」だと語るのは、共に学んだ同期とのネットワークです。LSP という共通のキーワードのもとに集まった多様なバックグラウンドを持つ仲間たちと過ごした 4 日間は、気付けば互いの内面をさらけ出し、深く語り合う貴重な時間となりました。

また、トレーニング 3 日目のプログラム作成演習も強く印象に残っているそうです。それまでの 2 日間で学んだ理論を、実際に自分たちの手でプログラムとして形にする過程で、「分かったつもりになっていた」ことに気づかされたと言います。この演習をやり遂げたことで、達成感とともに、LSP を深く理解する大きなきっかけになったと振り返ります。

「Do Something Soon」:学びを仕事に活かす第一歩
トレーニング修了後、下田さんは北九州に戻り、すぐに LSP を自身の活動に取り入れ始めました。そこで活かしたのが、トレーニングで学んだ「DSS(Do Something Soon:すぐに何かをしてみよう) 」という考え方です。

まず、LSP 専用のブロックを買い揃えることから始め、トレーニングで得た知識を忘れないうちに、とにかくプログラムを設計し、一人で実践することにしました。 当初はまだ福岡や北九州で LSP はほんの一部の人にしか知られておらず、ビジネスとして展開することは難しかったそうです。

そこで下田さんは、自身が所属する大学の学生 4 人を対象に、LSP を実践する機会を設けることから始めました。学生たちが自分たちの活動の意義を整理するワークショ ップを開催し、まず DSS を実践しました。その後、少しずつ LSP を実践する場を探し、数年をかけて、 市民講座や他大学での講義、そして現在では企業研修へと活動の場を広げていきました。また、実践の場を広げるにつれて、他の LSP ファシリテータとの交流や協働機会も増え、今では国内外のファシリテータ仲間の存在が心強いと話します。

企業研修での手応えと LSP の可能性
下田さんは、企業の新人研修や中間管理職向け研修、組織横断型のワークショップにも LSPを活用しています。参加者からは、 「自分の考えが整理された」「相手がどう考えているか、初めて気づかされた」という声が多く聞かれるそうです。 また、 当初は 「ブロックを使って何をするんだろう?」とやや LSP に懐疑的だった参加者から、ワークショップが終わる頃には、 「時間が経つのを忘れて没頭してしまっていた!」と言われる機会も多いそう です。下田さん自身、 ブロックというツールを介することで、参加者同士の間に心理的安全性と信頼が生まれ、活発で建設的な対話が生まれる瞬間を見るのが、 ファシリテータとして最も幸せを感じる瞬間だそうです。

今後の展望とキャリアを考える方へのメッセージ
今後の展望について、下田さんは企業研修を継続していくことに加え、LSP と企業価値の発見を結びつける「第三のイノベーション」に関する取り組みを福岡から広めていきたいと語ります。さらに、海外に向けて英語でワークショップを開催することにも意欲を示しています。 最後に、キャリアや教育、組織開発に関心を持つ方々へ、下田さんはこうメッセージを送ります。

「LSP は、人が 3人以上集まる場所であれば、 どんな組織やチームでも使えるツールです。多様な価値観を持つ人々が集まる中で、お互いの意見を否定することなく、フラットな対話の場を作ることができます。 LSP によるコミュニケーションをまずは体験し、 知ること。 それはきっと、 楽しみながら真剣に課題に向き合う誰かとの対話を実現するだけでなく、 新しい自分自身と出会う第一歩にもなるでしょう。」

下田さんのキャリアは、偶然の出会いをチャンスに変え、自身の「好き」を仕事にすることで、 大きく広がってきました。LSP は、彼女のキャリアを切り拓くための強力な武器となり、今では多くの人々のキャリアや組織の変革を支援するツールとして活用されています。キャリアに悩んでいる方、新しいスキルを身につけたいと考えている方にとって、下田さんのお話は、きっと大きなヒントになるのではないでしょうか。

下田泰奈さん
北九州市立大学地域戦略研究所特任研究員
LEGO®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


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キャリアチェンジや学び直しを考えている方、教育・人材育成の現場に関わる方、組織開発やチームづくりに取り組む方、そして「今の会議や話し合いの場をもっと意味あるものに変えたい」と思っている方に特におすすめです。

下田さんのように、新しい役割や環境で自分らしい対話のあり方を探求している方には、きっと共鳴する内容です。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習
詳しくはこちらをご覧ください:

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定。
お申し込み・詳細はこちらから。

2022-11-02

NewsPicks「【レゴ】組織を「全員参加」に変える、秘密のチームアップ術」動画公開のお知らせ

10月6日 NewsPicksサイト上でレゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用した体験ワークショップの様子が動画として公開されました。このワークショップはNewsPicksの編集チームを対象に開催されたものです。全編閲覧は有料コンテンツの扱いとなりますが、無料期間の設定もあります。コメント欄でも当日参加した編集チームメンバーのコメントや組織開発に関わる方、チームビルディングに関心のある方々の様々なコメントを読むことができます。

動画視聴はこのリンクからできます。
https://newspicks.com/movie-series/14?from=%2Fprograms&movieId=2328

2022-04-14

弊社への問い合わせについて

弊社への問い合わせについては全てメールにてお願いいたします。電話での個別問い合わせには対応いたしかねますのでご了承ください。

問い合わせ先メールアドレス:support@seriousplay.jp

よろしくお願いいたします。

2021-12-03

LEGO® SERIOUS PLAY® が書籍で紹介されました。

2021年12月1日発売「レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方」、蛯谷 敏 (著)、ダイヤモンド社

著者の蛯谷さんはご自身もトレーニング修了認定を受けたレゴ®シリアスプレイ®ファシリテータです。本書はレゴ社の成功の秘密とあまり語られることのない経営危機を同社がどのように切り抜けたかなどレゴ社についてたいへん興味深い視点で書かれた本です。本書の第7章ではレゴシリアスプレイ メソッド開発者のロバート・ラスムセンへのインタビューとレゴシリアスプレイの紹介となっています。レゴシリアスプレイについて、レゴ社についてお知りになりたい方にとって貴重な情報ソースとなります。

Amazon リンク:「レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方」


2021-09-11

10月22日 ラスムセンアカデミー ウェビナー開催のお知らせ

レゴ®シリアスプレイ®は個人の思考を深化させ、組織やチームを共進化させるメソッドです。世界中の企業、官公庁、大学、NPOなどで組織開発、キャリア開発、イノベーション創造などさまざまな課題解決のために活用されています。今回、レゴシリアスプレイメソッド開発に影響を与えたサイエンスをテーマに取り上げてウェビナーを開催いたします。

講演タイトル:「複雑系と創発」

講演内容:COVID-19によって引き起こされた状況を見るまでもなく我々が生きる現実は予測不能な出来事によってしばしば影響を受けます。ウイルスの拡散、各国の思惑、個人の行動など無数の構成要素が絡み合って世界的な混乱を生み出しました。複雑系とはこのように相互に関連する複数の要因が全体として複雑で予測できないふるまいを引き起こすもので、我々が日々生きる現実そのものであるといえます。
一方、複雑系の中では構成要素が互いに影響を与えながら共進化をして知的な全体行動を遂げることもあります。これを創発と呼びます。複雑系と創発について学ぶことは不確実な現代を見る新たな視点を持つことにつながります。レゴシリアスプレイの実践者にとっては「出来事をプレイする」ことのさらに深い意味を探究する大きなヒントにもなります。

今回は東京大学で先端 AI の研究と指導をされている伊庭教授より、一般の方にもわかりやすい解説を交えて複雑系と創発についてお話しいた
だきます。

講師:東京大学大学院
情報理工学系研究科電子情報学専攻
伊庭斉志 教授

日程:2021年10月22日(金)17:45 〜 19:30(開場 17:30)
定員:40名
開催形式:オンラインリアルタイム配信(zoom)
*zoomリンクはお申し込みの方々に別途お知らせします。
受講料金:¥3,500
早割料金:¥2,500(先着20名)
申込方法:以下のPeatixページよりお申し込みください。
https://lsp-academy01.peatix.com

伊庭斉志 教授のプロフィール
東京大学理学部情報科学科卒業。通産省 電子総合研究所、スタンフォード大学客員研究員などを経て2011年より東京大学大学院情報理工学研究科電子情報学専攻 教授。人工知能と人工生命の研究に従事。特に進化型システム、学習、推論、創発、複雑系、進化論的計算手法に関心を持つ。趣味:水中ナチュラリスト(1,000本以上の経験本数のPADIダイブマスタ)

主な著書:
「深層学習とメタヒューリスティクス ディープ・ニューラルエボリューション」、オーム社、2019
「ゲームAIと深層学習:ニューロ進化と人間性」、オーム社、2018
「人工知能と創発 – 知能の進化とシミュレーション – 」、オーム社、2017
「金融工学のための遺伝的アルゴリズム」、オーム社、2011

2019-11-09

ソフトバンク(株)が30名以上の認定ファシリテータ体制でLEGO®️ SERIOUS PLAY®️メソッドと教材 を活用したワークショップの提供を開始

ソフトバンク(株)ではAI、IoT、Robot、Security、Cloudなど高度の専門性を持った社内人材がLEGO®️ SERIOUS PLAY®️ メソッドと教材を活用した新しいワークショップを顧客向けに提供することになりました。そのため同社ではすでに30名以上の社員が4日間のファシリテータ養成トレーニング修了認定を受けており、今後もさらにLEGO®️ SERIOUS PLAY®️ メソッドを学んだ人材を増員していく予定です。ソフトバンク(株)ではLEGO®️ SERIOUS PLAY®️ メソッドと教材を活用することで顧客とともにありたい姿を作り上げ、最先端技術でそれを実現することを目指しワークショップを積極的に展開の予定です。

ソフトバンクのビジネスWEBマガジン「Future Stride」の記事「働き方改革を推進するソフトバンクがLEGO® SERIOUS PLAY®(レゴ®シリアスプレイ®)に本気な3つの理由」にはLEGO® SERIOUS PLAY®を活用した同社の取り組みが詳しく紹介されていますので是非お読みください。

ソフトバンク(株)の皆さんが受講されたトレーニングは、LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ マスタートレーナー協会(本部:デンマーク)が世界共通で提供するファシリテータ養成トレーニング(4日間)です。日本では(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツがマスタートレーナー協会認定のトレーナーを講師として提供しております。

 


『戦略を形にする思考術 – レゴ®シリアスプレイ®で組織はよみがえる』
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レゴ®シリアスプレイ®についての初めての日本語解説書です。
平易な説明でレゴ®シリアスプレイ®の概要やメソッド開発の経緯を知ることができます。

2019-05-06

LEGO® SERIOUS PLAY®で学生が全員で参加する授業づくり – 千葉商科大学 政策情報学部 事例

千葉商科大学 政策情報学部では LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用した授業が開講されています。

同学部の朽木量 教授が担当する「政策情報学実習」では現代社会の課題や政策、解決策について深く考えるために LEGO® SERIOUS PLAY®のメソッドと教材を導入しています。この授業の特徴は朽木先生のファシリテーションとLSPを活用して設計された授業によって「全員が作品を作って、考えを発表し繋がり合う」ことが可能となったことです。詳細については冊子の記事を是非お読みください。

この授業を履修した学生のコメント
「小さなレゴブロックから、社会問題という大きな課題について議論できることに面白さを感じています。この授業内では何を発言しても否定されることはないので、自由に感じたことを表現することができます。自分が意図していない意見にも耳を傾けることで、いろいろなことを許容でき、多角的なものの見方が身につく授業です。」

千葉商科大学では2020年版の入学案内にも LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したこの授業が紹介されています。

2018-11-14

MITイノベーション理論+レゴ®️シリアスプレイで学ぶイノベーション マスタークラス

MITのイノベーション研究者、デビッド・ロバートソンとレゴ®️シリアスプレイ®️開発者ロバート・ラスムセンによるイノベーション マスタークラスを紹介します。このクラスはエグゼティブ向けの3日間のプログラムです。デビット・ロバートソンが「レゴウェイ」または第3のイノベーションと呼ぶ新しいイノベーションを座学とレゴ®️シリアスプレイ®️メソッドを用いたハンズオン体験によって学びます。

かつてレゴ社が経営破綻直前の危機的状況から、連続8年24%の成長を遂げるまでになったのには「レゴウェイ」という同社の失敗から生み出された新しいイノベーションがありました。このマスタークラスでは「レゴウェイ」を理論から学び、レゴ®️シリアスプレイ®️によってその本質を深く考えて自社の経営に活かす道を見つけていきます。

最近特に人気が高いプログラムで現在はデンマーク(レゴ社本社キャンパス)でのみ開催されていますが、将来的にはアジア地域を含め海外での開催も検討されています。

マスタークラスの詳細についてこちらを参照ください(The Leadership Network)

 

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2018-09-29

AO入試でレゴ®シリアスプレイ®導入 – 山野美容芸術短期大学

山野美容芸術短期大学(東京都八王子)ではAO入試で思考力・判断力、表現力に重点を置いた「ポテンシャル型」選考を2017年より開始しました。ポテンシャル型入試ではレゴ®シリアスプレイ®のメソッドと教材を導入してワークショップ形式での選考を実施しています。「ものを通して伝える」ことをポイントとしてブロック作品を作り、作品に自分の考えや意見をのせて表現する。グループセッションの中で、形にしたものを見ながらさらに考えることで自分の中に眠っている考えが引き出されて総合的に思考力、判断力、表現力を審査することにつながります。同大のオープンキャンパスでは「AO入試対策講座&体験会」を実施して、ポテンシャル型とコミュニケーション型(もう1つの選考方式)のどちらが自分に向いているかを判断する機会も設けています。

2018年内のオープンキャンパス日程:

10月14日(日)、11月3日(土)、11月4日(日)、12月16日(日)
詳しくは以下をご参照ください。
http://www.yamano.ac.jp/opencampus.html

山野美容芸術短期大学ホームページ
http://www.yamano.ac.jp

 

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2017-12-19

Harvard Business School LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッド導入事例

Harvard Business School Executive Education Program で プロダクト イノベーションを教える Stefan Thomke 教授はレゴ社のケースを調べる過程で LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ を発見し、自身のイノベーション講座でも是非取り入れたいと考えました。そこで 教授はLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ ファシリテータ養成トレーニングを自ら受講し、数ヶ月かけてLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッドを活用した授業を設計しました。その授業では受講生はLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎メソッドに沿って 顧客体験についての新しいアイデアを手の力を借りて発見していきます。

なぜThonmke 教授はLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッドを導入したのでしょうか?最大の理由は、イノベーションについてエグゼクティブが考える時、顕在化している顧客ニーズの向こうにある価値や体験、それらが引き起こす感動について考えていく必要があるからです。まだ言語化できていない抽象的なアイデアを手の力を借りて形にする。表出されたアイデアをグループで共有して話し合う。LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ がもたらす授業体験を Thomke教授は魔法のようだ、と表現しました。

Thomke教授がLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッドを導入した理由のもう1つは、HBSのプログラムに最高の体験を期待して来る受講生に対して、期待を上回る体験を提供するメソッドがLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ であったからです。「イノベーションを教える授業がイノベーティブでなければ、なぜイノベーションについて学ぼうという気になるだろうか?」

あなたの企業や大学でもHBSと同じように魔法の体験をもたらすLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ メソッドを導入してみませんか。


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2017-12-17

LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ グローバルコミュニティ会議 開催報告

開催日時 : 2017年10月30日〜31日

デンマーク ビルンド市 にて世界中のLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ファシリテータが集結して2日間のグローバルコミュニティ会議が開催されました。今年で開催5回目となるこの会議は毎年参加人数が増えて今年は世界 35カ国から170名の参加となりました。

日本のファシリテータももちろん参加して、今年春のアジア会議(5月開催@東京理科大学)知り合った中国やタイ、シンガポール、台湾などアジア各国のファシリテータとの再会を祝いました。グローバル会議は世界中で活躍するLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ ファシリテータがスキルを磨き、相互に実践報告や研究成果を共有する充実した場となっています。2日の会議で得た知識、スキル、ネットワークを各国に持ち帰りクライアントのためにより一層素晴らしいワークショップを提供しようと世界中のファシリテータがさらに研鑽を積んでいます。

今年のグローバル会議はオープンしたばかりの LEGO HOUSE(レゴ社本社キャンパス内)を会場に開催されました。世界中で注目されている素晴らしい施設です。デンマークへおいでの際は是非お出かけになってみてはいかがでしょうか。


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