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2025-10-21

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」
第10回

「LSPで広がるキャリアと実践:ファシリテータたちの物語」第10回

LEGO® SERIOUS PLAY®(LSP)は、世界中で組織変革や教育の現場に導入されている、対話と創造のためのメソッドです。

この記事では、LSPファシリテータ養成トレーニングを修了した方々の実践と気づきを紹介します。彼らがどのように自分の仕事や人生にLSPを取り入れたのか——その生の声から、あなた自身の現場でのヒントや次の一歩を見つけていただければと思います。

今回のインタビュー:
人材ビジネスで20年近いキャリアを積んだ後、コーチングとの運命的な出会いから独立起業した栗栖佳子さん。北欧の教育メソッドを取り入れた独自の研修スタイルを確立する中で、自己流で使っていたレゴブロックの可能性に気づき、LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎と出合います。現在は企業研修で100%のリピート率を誇る彼女が語る、LSPがもたらす真の変容とは —-


コーチングとの運命的な出会い

2009年に独立起業した栗栖氏は、それ以前、パソナで約20年近く人材ビジネスに携わっていました。人材育成や採用面接、クライアントとのマッチングなど、幅広い業務を通じて感じていたのは、関わった人々が夢を叶えていく姿、うつむき加減だった人が前を向いていく瞬間に立ち会える喜びでした。

転機は、京都で受講した「パラダイム」と題された3時間のコーチング体験講座でした。「まさに未知との遭遇のような体験でした。全く異なる切り口で、自分自身がその場でパラダイムシフトを経験したのです」

講座を受けた帰りの電車の中で、コーチになろうと決意しました。「仕事が嫌だったわけでも、人間関係が悪かったわけでもありません。ただ、自分が囚われていた『こうあるべき』という枠組みから解放されたいと思ったのです」

3人の子どもを育てながら働く女性が非常に珍しかった時代、女性リーダーも少数でした。そうした時代背景の中での決断でした。2年間のトレーニングを経て、2009年5月1日にビジネスコーチとして独立。現在は90%以上が企業向けで、大手から中小まで、人と組織の意識改革や風土改革、チームビルディングを中心に活動しています。コーチングに加え、ハラスメント対策としてアンガーマネジメントも取り入れ、さらにここ4、5年は北欧の教育メソッドを学び、それらを統合したコミュニケーション研修を展開しています。

自己流から体系的メソッドへ

「実は、LSPに出会う前から、レゴブロックが大好きでした」と栗栖氏は語ります。言葉だけの研修では受講生が「わかった」気になっても、具体的な行動変容には繋がらないという課題を感じていました。

14〜5年の試行錯誤の中で、体を動かすインプロや様々なワークショップを取り入れてきました。「言葉で伝えるよりも、体験に勝るものはない」という確信から、自宅にあったレゴを使って自己流のワークショップを試してみました。

10年来の付き合いがある大手流通小売業の企業研修で、新入社員と直属の上司がミックスした研修にレゴのワークショップを導入したところ、関係性が変わる瞬間を肌身で感じました。「お互いが深いところでつながりだしたというか、上司とは異なる考えを言っても叱られない空間、自分らしくいてもいいという雰囲気が会場全体に生まれたのです」つまり心理的安全性が高い場作りができたのです。

ただ、これはあくまでも自己流でしたので、理論的な裏付けが欲しくて、レゴのメソッドが学べる研修プログラムを探していました。

LSPを知ったのは2年ほど前です。しかし、いつも満席で、1年半ほどモヤモヤしながら待ち続けました。そしてようやく2024年の8月、ついに受講の機会を得ました。

4日間で得た濃密な学び

「すべてをオープンにしているマニュアルの素晴らしさに驚きました」と栗栖氏は振り返ります。また、普段は講師として伝える側ですが、受講者の目線でレクチャーを受けることの新鮮さを実感しました。

「ゆっくり読む間もなく、ただひたすら作る、試す、作る、試す、の繰り返し。情報が頭だけではなく心に降り注いでくるような感覚でした」。一気に進む濃密な内容に圧倒されましたが、仲間と共に学び合い語り合う4日間の体験はワクワク感満載で最高でした。今後はファシリテーターとして「定期的にブラッシュアップしていかないと」と、今も学び続ける姿勢を持ち続けています。

100%リピートの実績

現在、栗栖氏の研修では、もれなくLSPが取り入れられています。「レゴブロックを使ったワークショップがあること自体、皆さんが驚かれます。特に堅めの企業では『遊びですか?』という反応も」

しかし、結果は明確です。「100%リピートです。次回も絶対にレゴを入れてくださいと言われます。この1年間、関わらせていただいたすべての企業で100%です」

その理由を栗栖氏はこう説明します。「LSPは、単なる楽しい遊びではありません。参加者が自分の手でモデルを作り、その意味を語る時、内省が深まり自然と心が動きだします。これは、ワークを通して固定観念や思い込み囚われて硬くなっている自分の「心の畑」を耕す作業です。LSPは種が根を張り、芽を出し、実をつけるために最適な土壌づくりをしているので、参加者だけではなく主催者にとっても成長実感が感じられ満足度が高いのだと思います。

 コーチとしての変容

LSPを学んだことで、栗栖氏自身も変化しました。「トレーナーがおっしゃっていた『相手の可能性をとことん信じきる』ということ、これはコーチのスタンスでもあります。しかし言葉だけの研修では、ついついコーチングがティーチングになってしまうことがありました」

「答えはその人の中に必ずある」と信じきっていれば、コーチが必要以上に介入する必要はないのです。参加者が感じたこと、発見したことをみんなで共有する「リフレクション」を、今まで以上に大切にするようになりました。誰一人取り残さない「全員が主人公」の場を参加者と一緒に作り続けるように心がけています。コーチや講師は、全員LSPのファシリテーターになることをおすすめします!「人と組織に本質的な変化をもたらす」LSPで、対話の質をさらに高めることで、一人一人の「幸福度」を高めていきたいと考えています。

新入社員からリーダーシップを

栗栖氏の提案は明確です。「日本ではほとんどの小中学校でコミュニケーションの授業がありません。「コミュニケーションが苦手」と自分にレッテルを張っている人が多いのは、「対話の練習不足」が原因の一つだと思います。そこで、「入社したらすぐにLSPを活用したコーチングやアンガーマネジメント、さらにリーダーになってから慌ててリーダーシップを学ぶのではなく、未来のリーダーである新入社員だからこそ、早めにリーダーシップも学ぶチャンスを与えて欲しいと思います。

心理的安全性の高い場を確保するには、リーダーと新入社員が、一緒にレゴブロックに触れながらお互いの価値観や体験を語り合い認め合うLSPが最適です。「自分が幸せになる力を身につけ、目の前の大切な人が幸せになるために貢献する力を身につける」それを可能にするLSPをこれからも積極的に広げていきたいと考えています。

受講検討者へのメッセージ

最後に、栗栖氏はこう語ります。「心を柔らかくしなければ、自分自身の成長は結局頭打ちになってしまいます。LSPで、自分の可能性をもっと引き出す、自分がもっと楽しむという体験を、まずしてみてはいかがでしょうか」

「4日間やったからすぐこうなるということではなく、LSPの体験は普段使っていない脳を使い、普段動かしていない心を動かす作業です。必ず何かしらの変化が自分の中に起きます」

今後は、海外在住の日本人向けのサロンコーチングや、次世代の若者たちへの後押しにも力を入れていきたいといいます。「LSPの可能性は無限大。自分自身がもっと深く理解し、より多くの人に届けられるよう成長していきたいです」

LSPは単なる手法ではなく、人との向き合い方そのものを変える力がある——栗栖氏の実践が、それを証明しています。

栗栖佳子さん
株式会社 宙 代表取締役  ビジネスコーチ
レゴ®シリアスプレイ®メソッドと 教材活用トレーニング修了認定ファシリテータ


LEGO® SERIOUS PLAY® ファシリテータ養成トレーニングのご案内

(株)ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツが提供する公式LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニングは、4日間でLSPの哲学と実践を体系的に学べるプログラムです。

対象:キャリアの軸を模索している方、ファシリテーションや組織づくりに関心を持つ方、教育・研修の現場で「もっと参加者が主体的に関わる場をつくりたい」と感じている方に特におすすめです。

トレーニングの内容:LSPの背景理論、基本プロセス、プログラム設計と実践演習

詳しくはこちらをご覧ください。

修了証:Association of Master Trainers in the LEGO®️ SERIOUS PLAY®️ method(本部:デンマーク)発行の公式修了認定証を授与

2025年は10月・11月・12月に開催予定!

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